北海道新幹線開業の苦難の歴史! |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

北海道新幹線開業の苦難の歴史!

青函トンネルでキノコ栽培? 苦節40数年北海道新幹線の歩み

世界最長の鉄道トンネル青函トンネルは放棄されかかった?

3月26日ついに北海道新幹線が開業しました。
実現するまでに実に40余年の歴史……。

今回は4月8日に発売される新刊『新幹線はすごい』より、そんな北海道新幹線の歴史をご紹介します。

青函トンネルと北海道新幹線H5系

北海道新幹線が通過する青函トンネルは、昭和46(1971)年9月に本工事が起工され、昭和63(1988)年3月に開通しました。

全長53・9キロという世界最長の鉄道トンネルとして建設されたこのトンネルですが、開通までには紆余曲折がありました。

景気の後退もあって、トンネル開業後の採算面や新幹線の延伸計画が不明瞭なものとなり、新幹線を通すのか、在来線を通すのかがなかなか決定せず、工事の途中でトンネルを放棄する案や、トンネルをキノコ栽培の施設に転用するという案までが出されるなど、世紀の建設工事は、政治の狭間で迷走を続けたのでした。

そして、在来線を通すかたちで決着し、JR発足後に開通した青函トンネルは、新幹線が北海道へと延伸されることが正式に決定したことによって、新幹線用のトンネルに転用されることになり、在来線を走る車両についても電気方式を新幹線のものに合わせた機関車を新製することによって通過が可能となるよう、施設の改良が行われたのです。

オススメ記事

斉木 実

さいき みのる

1963年、東京都生まれ。多摩芸術学園写真学科(現・多摩美術大学美術学部2部)中退。嘱託カメラマン、スタジオアシスタントなどを務めるかたわら、鉄道写真に取り組む。現在は鉄道写真作家として鉄道誌や旅行誌のほか、幅広いメディアで活動。車両や駅などの本質をとらえ、精細に作画表現するのをライフワークとする。米屋浩二との共著で『ニッポン鉄道遺産』(交通新聞社)や『ローカル線を旅する本』(KKベストセラーズ)、池口英司との共著で『知られざる鉄道遺産 首都圏 』(交通新聞社)がある。


この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

新幹線はすごい (ベスト新書)
新幹線はすごい (ベスト新書)
  • 斉木 実
  • 2016.04.09