ビジネスマナーにやたらうるさい上司がいますが、マナーの正解って何でしょうか?【角田陽一郎×加藤昌治】
あんちょこ通信 第10回
■「正解」ではなく、「正答」を集めよう
加藤:先輩から云われたことをそのまま「正解」として受け取るというよりは、「これもひとつの『正答』なんだ」と受け取って、いろいろ先輩から聞けるといいよね。
「よろしくお願い申し上げます」も「よろしくお願いします」も両方とも正答だとすると、それぞれが「正答」になる理由があるわけだし、他にも「正答」があるのか、「誤答」はなんなのか、みたいなことが聞けるといい。
すぐ上の先輩だと経験が浅くてまだわからないかもしれないから、先輩を傷つけないように上司だったり横の先輩だったりに聞くような配慮も必要かもしれないけれど。
角田:そこから自分なりに取捨選択していけばいいよね。
以前、神社参拝ツアーに参加した時に「ここでは二礼・二拍手・一礼でしたっけ」みたいに何度も聞いてくる人がいたんだけど、僕は「神様を信じる気持ちがあるなら、何回でもいいじゃない」と思う。こういう「どのマナーが正解か、教えてください」みたいな態度は、儀礼だけを整えようという想いが強すぎて、逆にマナー違反なんじゃないかな。
加藤:何度も聞かれると迷惑に感じる人はいるよね。だからいろんな人に聞いてみるといいんじゃないかな。
会社でメールを使い始めたのは、ちょうど僕たちの世代が働き出した時期だから、その意味では今の50代はそれなりにメールを使い続けている人たちです。新入社員だと、ちょうど親御さんの世代もメールに慣れているんじゃないかな。
だから質問者の方も、マナーについて言ってきた先輩以外のいろんな人に分散して聞いてみるといいかもね。
角田:どんな「正答」のバリエーションがあるのか、いろんな人に聞くというのがこの場合の正答だね。マナーの「正解」ではなく、「正答」を探し集めましょう。
※第11回へ つづく
構成:甲斐荘秀生
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