時計を返してくれてありがとう【たらい回し人生相談】
【たらい回し人生相談】〜ヤバいやつがもっとヤバいやつに訊く〜 連載第13回
■時計返却の儀:
にゃるら:時計は返しますけど……。そもそもどういうつもりだったんですか。
筆者:面白いかなって。
にゃるら:最初は、ちゃんと「腕時計を借りている」だったのに、いつの間にか文中で「腕時計を盗んでいる」になってましたからね。
筆者:面白いかなって。どうせこんなネットの場末の記事なんか、ネットのコアユーザーの皆様(注3)しか読まないから、多少悪どく書いても大丈夫かなって思ったんですよね。この連載は元々90年代サブカルのリバイバルみたいなことでやってますから。
にゃるら:危ない1号的なノリなのはわかりますけど、ネットの時代じゃ90年代の露悪記事の捉えられ方がぜんぜん違いますからね。だから廃れたんでしょうけど。露悪趣味はもう時代に合わないんでしょうね。
筆者:不景気だからかしらね。(注4)
大司教:さあ。なんにせよ、これは偉くなっていく君への花向けみたいなものというか。
筆者:開店祝いの花輪です。
にゃるら:まあ。とにかく時計をお返しします。必要な時に借りてお世話になったのは本当ですし……。ちゃんと「いつ返してもいいから」って言われた上で、最近も「腕時計なんて今度でいいよ」とも言われましたけどね。
(にゃるら氏、時計を大司教に返す)
にゃるら:盗んでないってちゃんと書いておいてください。
筆者:ウッス、盗んでないッス。
にゃるら:借りパクと盗んだじゃだいぶ違うでしょ。
筆者:そうかなあ。
にゃるら:まったくもう……まあこの機会に大司教に久しぶりに会えてよかったですよ。
大司教:まあでも、時計をネタにしてにゃるらくんをこの企画におびき出そうって狙いはあったんですけどね。実際、こうでもしないと君はこの連載に出てくれないでしょうし。
にゃるら:そりゃ出ませんよ。きたないもん。
大司教:ワハハ。
にゃるら:丸くなって聖人扱いされるよりは、たまに汚くたってもいいですけどね。
注3:当記事の本来の読者層をオブラートに包んだ言い方。 注4:なんだかんだ、90年代のサブカルにはまだ(いまから思えば)バブルの残り香みたいなものがあり、うさんくさい話や怪しい話に今ほど厳しい感じではなかった。倫理的になったという向きもあろうが、不景気のせいで清濁併せ呑む余裕がなくなったという気がする。