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“学級崩壊の芽”は4月からすでに出始めている 最大の原因と最善の対策とは【西岡正樹】

多感な子どもたちを教え支えていくために

 

■教室が崩れる予兆とは?

 

<教室の中>

① 教師の指示が一部の子どもたちに伝わらなくなる。教室内の私語が多くなり、授業が中断することが増える

② 授業中に子どもが授業とは関係のないことをする。子どもたちの話す声が大きくなり、授業中であっても、席の離れている者同士の言い合い(授業とは関係のない話で)が起こる

③ さらにその数が増え始めて、私語の声がさらに大きくなる。教室内は「話を聞く子」「席に座っているが関係のないことをやっている子」「席を離れて自分のやりたいことをする子」「教室から出ていく子」に分かれる

④ 離席する子の動きがさらに大きくなり、授業開始時に教室にいない子が複数いる。授業に参加する子が少なくなり、授業の体をなさなくなる。子どもたちは今何をやっているかを意識せず、自分勝手に動き、声をだして収集がつかない

 

 多くの崩れる教室は、このような経過を辿り変化していくのだが、④のようになってしまうと、子どもたちの間に暴力を伴う言動が多くなり、担任の教師やふれあい補助員(支援員のこと)だけでは子どもたちの動きを収めることができない。所謂、学級崩壊である。

 何故、このようなことが起こるのだろうか。新しい学年になった当初の子どもたちの様子を振り返ってみると・・・

 新しい集団になりたての頃は誰もが緊張し、周りの様子を伺う。子ども一人ひとりの動きは小さく、牽制し合っている。喧嘩も揉め事も少ない。先生に対しても、自分たちへの言葉のかけ方や自分たちの話を聞く様子をうかがいながら、この先生は怖いか怖くないか、自分たちの要求をどこまで受け入れてくれるのか、などなど、情報の収集に余念がない。よって、子どもたちの緊張や教師との緊張関係が続く限り、大きな揉め事は少ない。(この時期から言動に歯止めが利かないのであれば、先が思いやられる)

 そして、一か月後。ゴールデンウイークのころ(教室によって差がある)には、子どもたちはクラスの雰囲気や人間関係、そして、自分の立ち位置が見えてくる。また、担任の先生に対しても、どのように対応すればいいのか分かってくるのだ。そして、この教室でうまくやっていける手ごたえを感じ始める(うまくなじめないと登校渋りが始まる)。さらに時間の経過とともに、その手ごたえが確信に変わり始めるころ、子どもたちの気持ちは、「緊張感」から「解放感」へと向かう。

 すると、子どもたちの “あらたまり感” がなくなってきて、子どもたちの言動にも素の部分が多く見え始める。その後どうなるか?

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西岡正樹

にしおか まさき

小学校教師

1976年立教大学卒、1977年玉川大学通信教育過程修了。1977年より2001年3月まで24年間、茅ヶ崎市内の小学校に教諭として勤務。退職後、2001年から世界バイク旅を始める。現在まで、世界65カ国約16万km走破。また、2022年3月まで国内滞在時、臨時教員として茅ヶ崎市内公立小学校に勤務する。
「旅を終えるといつも感じることは、自分がいかに逞しくないか、ということ。そして、いかに日常が大切か、ということだ。旅は教師としての自分も成長させていることを、実践を通して感じている」。
著書に『世界は僕の教室』(ノベル倶楽部)がある。

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