元AKB・岡田奈々の体重公開騒動に見る「痩せ姫」の恍惚と不安【宝泉薫】
4月下旬、元AKB46・岡田奈々の「体重公開」がネットを過熱させた。
4月2日、グループからの卒業公演を行った彼女は、25日に投稿したインスタグラムに「34.4kg」と表示された体重計の写真を掲載。「2023年4/2の体重」という説明をつけた。
さらに、その次の投稿では、手足やお腹を思い切り露出した姿の写真を掲載。
「ゆうちゃん(AKB48の村山彩希)とね、今何キロだろうねって お互いに私の体重を予想し合っていて、その予想を遥かに上回るほど低い体重だったので 早くゆうちゃんと美味しい健康的なものを盛り盛り食べたいです」
と綴った。ちなみに、岡田の身長は156センチなので、世間基準ではかなりの低体重となる。そこにネットニュースが食いつき、コメントが殺到したわけだ。
その内容は、心配や同情、羨望や嫉妬、あるいは世の女性の痩せ願望を煽るなとたしなめるものなどさまざま。なかには、彼女と同姓同名の昭和アイドルを引き合いに出し、ボケようとして失敗した、こういうものもあった。
「わたしの彼は左きき、のほうじゃないんですね」
残念ながら、それは麻丘めぐみだ。どちらも1970年代に活躍した、似た系統のアイドルだから、取り違えてしまったのだろう。
それはさておき、ファン以外の反応は全体的に厳しめで、それは彼女の卒業がいわゆる「恋愛禁止ルール」に触れたことによるものだったことが大きい。昨年12月に配信された「AKBの痩せ姫・岡田奈々の『脱退』騒動に見る、アイドル=パパ活という構図。所詮、男女は化かし合い!」にも書いたが、彼女はかつて、このルールが破られがちな風潮を批判し、自分が「風紀委員長」になるとまで宣言していた。それがブーメランのように返ってきてしまったわけだ。
ただ、その記事でも書いたように、彼女は7年前、摂食障害での葛藤を告白してもいる。体重にこだわるのもある意味自然なことであり、今回の一連の流れには痩せ姫ならではの「恍惚と不安」みたいなものが感じられた。
すなわち、スキャンダル絡みの卒業という状況において「34.4㎏」という体重は、苦労や頑張りの証しでもある。そんな自分を認めたいし認めてほしい、そしてこれからの自分につなげたいという潜在意識が、体重公開へと走らせたのではないか。