榊原郁恵から堀江しのぶ、広末涼子、AKB48、吉岡里帆。水着はアイドルの通過儀礼である【宝泉薫】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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榊原郁恵から堀江しのぶ、広末涼子、AKB48、吉岡里帆。水着はアイドルの通過儀礼である【宝泉薫】

 

■ポリコレ的な「妙な正義感」が文化をダメにする

 

 一方、ファンには性の目覚め、いわば覚醒がもたらされる。筆者は子供のころ、山口百恵の水着ポスターを見て、女体のくびれというものを知った。彼女が教えてくれた「女の子の大切なもの」のひとつだ。

 つまり、水着はアイドルとファン双方にとって、現代的な通過儀礼でもあるわけだ。

 通過儀礼といえば、江戸期から明治期にかけて、各地に若者組というものが存在した。10代後半から20代前半の男が加入し、年長者が年少者にさまざまな生活指導をしていくシステムだ。夜這いを指南して、童貞を捨てさせることもあり、性教育の場としても機能していた。

 これが廃れたのは、欧米諸国からの前近代的だという批判も一因。そう、いつの世もポリコレ的な「妙な正義感」が文化をダメにするのだ。

 アイドルの水着についても、まだまだ邪魔をする人が出てくるだろう。せっかくの文化を「芸能の敵」たちに燃やさせてはいけない。

 

文:宝泉薫(作家、芸能評論家)

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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