今はじめてメディアに明かされる自民党「B層選挙戦略」の真実!
舞台裏では何があったのか? 適菜収が中川淳一郎に迫る!
中川淳一郎×適菜収 炎上覚悟の居酒屋放談
適菜 「そうだったなんとか」という番組ですか?
中川 「郵政民営化~そうだったのか会議~」と冒頭にでて、その最初の見開きが竹中平蔵とテリー伊藤の写真なんです。それを含め多分4ページをオレが編集したんです。「世界の郵政民営化事情」とか「えっ? こんなところにも郵便ポスト?」とかそういったことをまとめました。で、35万円。こんなのいくらでもバラしていいですよ。適菜さんの『B層の研究』にもスリードの話が出てくるし、オレもあそこにはまったく義理がないから。
適菜 あれを発注したのは内閣府でしょう。具体的な政治家の名前とか出せますか?
中川 当時ですよね。2004年とか2005年ですよね。そこはわからないな。オレはあくまでも女性社長から仕事もらっただけなのでね……。
適菜 スリードから流れてきた。
中川 スリードの下の編プロからオレはもらった仕事。スリードの孫請けなんですよ、オレは。そこの詳しい流れはわからないですね。
適菜 博報堂や電通が裏でかかわっていたということはありますかね?
中川 いきなり、スリードなんですよ。誰も知らないような会社なのに、なんで? と思ったけど。郵政省の会議に行っても、博報堂とか電通のヤツはいなかった。ただ、社長は博報堂の13局出身で、博報堂の公共事業の部署にいたことは間違いないから、その伝手でという話ですよね。
適菜 博報堂は表に出るが嫌だから、スリードを使った可能性はありますか?
中川 それは違うと思う。たぶんあの色黒のおっさんが個人的に食い込んでいたんだろうと思う。あの時は、電通や博報堂の影をあまり感じなくて、スリードがメインに立っているんだなと思っていた。で、最下層の下請けの編集担当は元朝日のKさんというやつとオレなんですよ。お互い35万ずつなんです。もしかしたら、Kさんのほうがもらっているかもしれないけど、俺は35万しかもらっていないんですよね。
(第3回につづく…)
(プロフィール)
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973年東京都立川市生まれ。1997年一橋大学商学部卒業、同年博報堂入社、CC局(コーポレートコミュニケーション局)配属。2001年、サラリーマンとして通用しないと諦めて退社。無職になる。その後、ライター、雑誌編集者を経て、2006年にネットニュースの編集者になる。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『節約する人に貧しい人はいない』(幻冬舎)、『仕事に能力は関係ない』(KADOKAWA)等多数。6月上旬には20代30代読者に向けた世渡り指南書『好きなように生きる下準備』(ベスト新書)が発売予定!
適菜 収(てきな・おさむ)
1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』(講談社)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志・中野信子との共著『脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克』(文春新書)など著書多数。