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生涯一人か……そんな思いとコロナが引き金になり、60歳を目前に婚活アプリに時間とエネルギーを注ぐことを決心した【石神賢介】

人生の節目〜39、49、59歳は〝婚活発情期〟

  

◼️婚活アプリ犯罪史

 

 アプリがいよいよ婚活のスタンダードになってきたのは2010年代後半に入ってからだ。さらに婚活のメインストリームになったのは、新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発令され、自宅から出づらくなってからだ。

 それまではアプリにリスクを感じている人が多数派だった。アプリ(「婚活サイト」などネットを利用する婚活も含む)利用者の犯罪が目立ったことも理由の一つだろう。

 2007年から2009年にかけて、当時33歳から35歳だった木嶋佳苗容疑者による首都圏連続不審死事件は連日報道された。千葉県松戸市の自営業の70歳男性が自宅の浴室で謎の死、東京都青梅市の53歳会社員が一酸化炭素中毒死、千葉県野田市の80歳男性が一酸化炭素中毒死、東京都千代田区の41歳会社員も一酸化炭素中毒死。木嶋容疑者はこのほかにも死亡時期が明確ではない2名の男性を殺害している。

 この事件で木嶋容疑者が男性と知り合う手段として使っていたのが婚活アプリだった。そのため「婚活連続殺人事件」とも言われている。彼女は性の奥義を極めようと努力をし、その技術で男を夢中にさせた。

 2012年には埼玉県行田市で、当時42歳無職の伊藤早苗容疑者が67歳の男性の首を包丁で切って殺害。容疑者は被害者から約1000万円借金をしていたが、二人が出会ったのも婚活アプリだった。

 2015年には婚活アプリで知り合った42歳会社員の石崎康弘容疑者と25歳無職の手面真弥容疑者が21歳の女性を殺害し、預貯金の800万円を引き出した。このお金は被害者が独立開業のために蓄えていたという。

 このような報道によって、社会はアプリへの警戒心を強めた。

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石神賢介

いしがみ けんすけ

ライター

婚活ジャーナリスト

1962年生まれ、東京出身。婚活アプリ、婚活パーティー、結婚相談所、婚活バスツアー、座禅婚活など、約30年にわたり、あらゆる婚活にトライ。食事やお茶などをともにした女性は300人を超える。女性にブランド品を買わされても、「ジジイ!」と罵られてもめげず、会社員、女優、モデル、銀座のホステス、ドクターなどと交際。しかし、結婚にいたっていない。著書に『57歳で婚活したら すごかった』『婚活したら すごかった』(以上、新潮新書)、『すべての婚活やってみました』(小学館新書)、『アラフィフ婚活』(飛鳥新社)、『なぜ「スマ婚」はヒットしたのか 誰もが挙式できる世の中に』(幻冬舎)がある。

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  • 石神 賢介
  • 2023.07.20