生涯一人か……そんな思いとコロナが引き金になり、60歳を目前に婚活アプリに時間とエネルギーを注ぐことを決心した【石神賢介】
人生の節目〜39、49、59歳は〝婚活発情期〟
◼️コロナで高まった世の中の結婚願望
マイナスのイメージが強かった婚活アプリの潮目が変わったのは、2020年の新型コロナウイルス感染拡大だった。突然の疫病の蔓延で、一人で暮らす寂しさからシングルの結婚願望が高まった。
ブライダル総研による「婚活実態調査2020」内「新型コロナウイルス感染症による恋愛・結婚意向の変化」(以下同)の調査結果によると、コロナ禍で最初の緊急事態宣言が発令された2020年3~5月、シングルの37・5%が「恋人がほしい意向が高まった」と回答している。そして、41・6%が「いずれは結婚したい意向が高まった」とも回答。つまり、シングルの男女の10人に4人が、コロナをきっかけに結婚したいと考えるようになっている。
「誰かと暮らしたい」
「一生一人で暮らすことになりそうで不安」
このようなシングルの思いは強くなるばかりだった。
やはりブライダル総研の調査では、シングルの4人に1人は、結婚相談所、婚活パーティー、婚活アプリなどを体験しているという。
しかし、外出自粛の社会に出会いはない。そんな状況で自宅にいながらにしてパートナーを探し交流できる婚活アプリの需要は高まった。
大勢が集まること、対面で話すことは憚られ、マスク着用で顔を半分近く隠しての生活が日常になり、婚活パーティーや結婚相談所のお見合いが難しくなったことで、それらの利用者もアプリへと流れた。
婚活アプリのベースとなるインターネットの利用数も上昇している。
コロナ禍前の2019年の時点でスマホの世帯保有率は83・4%、パソコンの保有率が69・1%。コロナ禍真っ只中の2021年はそれぞれ88・6%と69・8%になっている(以上・総務省調査)。インターネットの端末利用が年々増えていることも、婚活アプリ利用者増の原因となっているだろう。