みんな真剣に婚活している。婚活は営業活動に近いと思った。アプローチする件数が大切だ。【石神賢介】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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みんな真剣に婚活している。婚活は営業活動に近いと思った。アプローチする件数が大切だ。【石神賢介】

アラカン(60歳前後)でも出会えた婚活アプリの世界

  

■プロフィールで本気度を示す

 

「アラカンにもなって婚活アプリに登録するやつなんているのだろうか?」

 そんな不安が登録する際は頭の中をよぎった。しかし、杞憂に過ぎなかった。同世代がたくさん登録していたのだ。

 登録はかんたんだ。アプリのガイダンスに従って、まず、クレジットカードで会費を支払う。1か月、3か月、6か月、1年など選択肢があり、その中から選ぶ。長ければ、それだけ割安になる。だからといって、長期間会員でいたくはない。できるだけ早くパートナーを見つけて、一緒に退会したいのが正常な感覚だろう。

 とはいえ、1か月で相手を見つけて退会できると思うほどうぬぼれてはいない。それなりに苦戦は覚悟しているので、3か月コースを選んだ。会費は1万円弱。1か月に3000円台になる計算だ。

 登録作業を終えて会費の支払い手続きが済むと、今度はプロフィールを記入していく。名前、年齢、職業、学歴、居住都道府県、出身都道府県、体型、飲酒や喫煙の習慣、おおよその年収、希望する女性のタイプ……などを打ち込んでいく。

 すべて正直に入力した。もし女性と交際できたとして、嘘をついていると、どこかで訂正しなくてはならない。あるいは嘘に嘘を塗り重ねていかなくてはならない。

 必要な項目をすべて打ち込んだら、本人証明を送信する。運転免許証やパスポートなど、顔写真付きの公的証明書をスキャンするかスマホで撮影して送信すればいい。

 すると、アプリの会社が審査に入る。間違いなく本人か、記入に嘘がないか、クレジットカードに問題がないか……などをチェックするのだろう。

 独身証明書や卒業証明書や収入証明書の提出は求められなかった。つまり、妻帯者でも登録できる。学歴や年収を偽ることもできる。審査は半日から一日。審査が通り晴れて会員になった。

 プロフィールには、自己PRと写真掲載のスペースがある。どちらも重要だと思った。

 自己PRは、本気でパートナーを求めていることを書いた。独身証明書の提出を求められないからには、妻帯者やナンパ目的の男は一定数いるはずだ。疑われないためにも、本気度を示す必要があると考えた。

 趣味は具体的に書いた。好きな映画のタイトル、好きなミュージシャン、好きな作家、好きなスポーツ、ジムに通っていること、健康であること……などだ。

 ただし、ちょっと特殊な趣味は書かなかった。たとえば、格闘技系だ。筆者は一時期ボクシングをよく会場で観戦した。そういう好みは伏せた。格闘技を野蛮だと思っている女性は少なくない。プロ野球も観戦する。阪神タイガースのファンだ。それも書かなかった。読売ジャイアンツファンの女性から理解は得られないからだ。かつて、ジャイアンツファンの女性と短期間交際した。プロ野球のことで、頻繁に険悪な状況になった。筆者は「阪神バカ」と罵倒された。

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石神賢介

いしがみ けんすけ

ライター

婚活ジャーナリスト

1962年生まれ、東京出身。婚活アプリ、婚活パーティー、結婚相談所、婚活バスツアー、座禅婚活など、約30年にわたり、あらゆる婚活にトライ。食事やお茶などをともにした女性は300人を超える。女性にブランド品を買わされても、「ジジイ!」と罵られてもめげず、会社員、女優、モデル、銀座のホステス、ドクターなどと交際。しかし、結婚にいたっていない。著書に『57歳で婚活したら すごかった』『婚活したら すごかった』(以上、新潮新書)、『すべての婚活やってみました』(小学館新書)、『アラフィフ婚活』(飛鳥新社)、『なぜ「スマ婚」はヒットしたのか 誰もが挙式できる世の中に』(幻冬舎)がある。

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  • 石神 賢介
  • 2023.07.20