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“デスマッチのカリスマ”葛西純が激白「若いやつに座を譲るとかバカか!嫌なジジイになってとことん生きろ!」

葛西純選手のTwitter(https://twitter.com/crazymonkey0909/status/1690194314608197632より画像引用。本人提供

 

◾️「刺激がほしい」というのはマンネリズムとの戦い

 

 現役レスラーとしてトップを走る葛西にはある口癖がある。

 「刺激がほしい」

 そんな言葉を試合後のコメントでも言うし、Twitter(X)でも投稿する。デスマッチだけで十分刺激的なのに、なぜさらなる刺激を求めていくのだろう。

 「プロレスに対してもそうだし、デスマッチに対してもそうなんですけど、やりきった感がやっぱ出ちゃってるんですよね。 このやりきった感イコールマンネリですよ。マンネリとの戦いですよね。そのマンネリを打破した時に刺激を感じます。まだこういうやり方がある。試合をして新しい楽しさが味わえたとか、こんなやり方があったんだってのを感じた時に刺激を得られますね」

 サラリーマンの生活でも似たようなことがあるかもしれない。朝起きて電車へ乗って会社で仕事をする。役職になるとデスクワークが多くなり、ルーティンばかりで刺激を忘れる。そんな同世代のサラリーマンへ贈る言葉を葛西に聞いてみた。

 「サラリーマンの場合は、仕事以外で刺激を求めるのが1番いいんじゃない。生きてることに刺激を求める。仕事のやり方を変えるなんてなかなか難しいとは思うから仕事をやりながら夢中になれる趣味を持つとかがいいんじゃないかな? それがゲームでもいいし、アイドルの追っかけでもいいじゃないですか」

 刺激を求める葛西。プレッシャーには無縁のように思えるが、実は試合前にはナーバスになるという。SNSで「すごい試合するんだろうな」「めっちゃ楽しみ」といった投稿を見るとプレッシャーがかかってしまい1週間前から眠れなくなることもあるそうだ。自宅にいると妻から「また試合で緊張して…。声かけづらい怖い顔してる」とよく言われるという。堂々と入場している姿から想像できないがどうやって気持ちを切り替えているのだろう。

 「スイッチの切り替えみたいのはね、会場に入ってからですかね。試合用のメイクをして、コスチュームに着替えて、テーピングを巻いた後は完全に吹っ切れてます。

 その時はプロレスラー・葛西純の世界に入ってますね。控室から入場通路へ続くドアを開けて、お客さんの声聞いたらナーバスとかプレッシャーとか全く感じないです」

 最後に葛西純に同年代へ励ましの言葉を送ってほしいと聞いてみた。

 「プロレス界でもそうなんですけど、一般社会でも若い人の勢いっていうのはすごい感じるときがあると思うんです。競技者である以上自分は、若い人に座を譲って一線を退くとか好きじゃない。

 競走馬が一番目指さなくなったらつまんないじゃないですか。それと一緒で、キャリアを積んだ者にしかできない仕事、キャリアを積んだ者にしかできない試合っていうのが絶対あるわけなんで。 俺はもう生涯現役で命尽きるまで現役でやるし、死ぬまで若いやつに座を譲るなんてことは微塵も思っわない。そういう嫌なジジイで生きていくんで、皆さんも俺みたいな嫌なジジイになってください。男で生まれてきからにはそうであるのが俺はかっこいいと思うんで」

 40代後半は社会人として折り返しにきている時期。でも、常に自分自身に鍛錬を課して、いつまでもランナーとして走り続ける。そんな人生もありなんじゃないだろうか。

 

文:篁五郎

 

◉葛西純(かさい・じゅん)

北海道帯広市(自称:ヒラデルヒア)出身。生年月日:1974年9月9日

デビュー:1998年8月23日 通称「狂猿」「クレイジー・モンキー」

プロレスリングFREEDOMS所属

過激なデスマッチで人気を誇る日本プロレス界切ってのハードコアレスラー。現在は団体や国を問わずリングに上がっている。その一方息子や娘を会場に連れて来ることがあるなど、子煩悩な一面も。葛西は息子を「ハッピーボーイ」と呼んでいて、売店にも訪れることもある。娘も「ジプシー嬢」と呼んでおり、度々Twitterに登場する。

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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