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アイドルの激痩せと過食嘔吐告白、大食いやヴィーガンの死。この夏の「痩せ姫」事情を振り返る【宝泉薫】

岡田奈々

 

 

 この夏、痩せ姫の訃報が相次いだ。

 まずは、高橋ちなり。大食いタレントとして、テレビやユーチューブなどで活躍していたが、30歳で病死した。

 昨年11月には体調を崩して、入院。ツイッターで、

「腰の圧迫骨折+拒食気味の為入院2週間目。(略)ガンマGTP(肝臓)の値が平均は70とかなのに私2700とかで今度はそっちが原因で入院続くことになりました… アル中なのが原因の為しばらく断酒です」「双極性鬱 拒食症 自殺願望 どうしてこんなに酷くなった」

 などと深刻な報告をしていたものの、今年5月には旅行で金沢グルメを楽しんだことが投稿されていた。その2ヶ月後の死だ。

 なお、3月には大食い界のレジェンドで「魔女」の愛称で親しまれた菅原初代が大腸がんで死去(享年59)。7月に放送された「まさかの一丁目一番地」(TBS系)では、その「最期の3日間」が紹介された。

「私の病気のこと、大食いに結びつけられないか心配」「もし変に広まったら大食い界に影をさすようなネットニュースになってしまう」

 として、病名や病状を伏せながらの闘病生活だったという。

 

高橋ちなり

 

 実際、死後には大食いと大腸がんとを結びつける見方もされることに。また、高橋ちなりについても、大食いと摂食障害(拒食症)を関連づける声があがった。メディアによっては「元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題」として約13年前に匿名の女性(ただし、大食いファンの多くが推定できる人物)が書いていた文章に着目。

「怪物級に食べてもガリガリなのは、嘔吐で、消化吸収する前に出してしまうから。過食嘔吐の量やタイミング、吐き出す技術に長けたごく一部の『ベテラン摂食障害者』のみが選ばれし『トップフードファイター』として華やかな世界で活躍できるのです。身体と心の健康を削りながら」

 という一節を引用していた。このブログについては、拙著『痩せ姫 生きづらさの果てに』でもとりあげたが、彼女自身はその告白通りだったとしても、どれくらいの大食いタレントに当てはまることなのかは相変わらず謎だ。

次のページ元AKB48でセンターも務めた岡田奈々の衝撃的な告白

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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