『真田丸』ファン来訪必至! もう一つの真田の原点 沼田へ行く! |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

『真田丸』ファン来訪必至! もう一つの真田の原点 沼田へ行く!

真田一族巡礼の旅 第6回

日本海と関東平野をつなぐ交通の要衝に位置することから、武田、上杉、北条が激しい陣取り合戦を行っていた沼田。この地を約一世紀にわたり治めていたのが、真田一族だ。昌幸が奪い、信之によって五重の天守が建てられた沼田城跡である沼田公園など、真田ゆかりの史跡が市内に集まっている。

 沼田城跡―真田の居城は花見スポットに

 武田勝頼に攻略を命じられた昌幸が、約2年の月日をかけて1580年(天正8)に調略した沼田城跡にある公園。その後、長男・信之が初代城主として入城し、五重の天守や櫓、門などを整備、沼田城を近世城郭へとつくり替えた。約100年にわたり真田家が沼田領を治めるも、1681年(天和元)に5代・信利の改易と同時に破却。跡形もなく壊されたと考えられていたが、西櫓台の石垣や石段をはじめ、真田時代の遺構が残存していることが判明した。

現在は沼田公園として整備され、市民の憩いの場となっている。春に催される「沼田公園桜まつり」では200本以上の桜が咲き乱れるなど、お花見スポットとしても有名。また、信之の息子・信吉により鋳造された「城鐘」を吊り下げていた鐘楼が復元されている。

西櫓台の石垣と石段。石垣は全長約27.5m、石段の幅は約2.4mある。   
 住所:群馬県沼田市西倉内町594(沼田公演内)
アクセス:JR沼田駅より徒歩約15分

戸鹿野八幡宮―昌幸が勝利を祈願した神社

 沼田城を築城した沼田顕あ き泰や すが、城の守護神を祀るために建立した神社。しかし皮肉にも、ここに必勝祈願をした昌幸によって沼田城は攻略された。以降、戸鹿野八幡宮は真田家にも代々武神として崇拝を受ける。現在の本殿は5代藩主・信利によって建てられたもので、2015 年10月に改修工事を終えたばかり。敷地内には、亀甲積みの石垣などが残る。

古めかしい境内
住所:群馬県沼田市戸鹿野町800
アクセス:JR沼田駅より徒歩約40分

正覚寺―小松姫の人となりを伝える

 本田忠勝の娘で、信之の正室・小松姫の墓所。同時に小松姫と昌幸が最後の対面をはたした場所でもある。関ヶ原の戦いの折、信之不在の沼田城を守っていた小松姫のもとに、「孫の顔が見たい」と昌幸がやってきた。しかし小松姫は「たとえ義父でも敵である」として申し出を断る。入城をあきらめて正覚寺に泊まった昌幸だが、そこに小松姫が子どもを連れてきたので、昌幸は今生の別れを告げることができたという。なお、本堂の天井板の一部は沼田城の木材を再利用している。

小松姫の墓
住所:群馬県沼田市鍛治町938
アクセス:JR沼田駅より徒歩約15分

KEYWORDS:

オススメ記事

かみゆ歴史編集部

ポップな媒体から専門書まで、歴史関連の書籍や雑誌、デジタル媒体やサイトを一生懸命つくっている編集部。ジャンルは戦国、幕末を中心に古今東西を問わず、アート、カルチャー、宗教・神話、観光ガイドなどを幅広く手掛ける。おもな編集制作物に『戦国武将パノラマ大図鑑』(ポプラ社)、『戦国武将イラスト名鑑』、『幕末志士イラスト名鑑』(ともに学研パブリッシング)、『つぶやき戦国武将 天下統一なう』、『新選組巡礼の旅』(どちらもアスキー・メディアワークス)、『日本の山城100名城』、『春秋戦国500年の興亡』(どちらも洋泉社)、『廃城をゆく』シリーズ(イカロス出版)など。

この著者の記事一覧

RELATED BOOKS -関連書籍-

真田一族巡礼の旅ガイド
真田一族巡礼の旅ガイド
  • かみゆ歴史編集部
  • 2015.12.19