加藤神楽という候補生が物議に! 日プ女子から見る「日韓の〝アイドル〟観の違い」とは?【梁木みのり】
キレキレのシンクロダンスを指す「カル群舞」は、K-POPグループのスキルフルさの大きな基準の一つだ。歌うなら「ホイッスルボイス」の使い手などがもてはやされる。「表情管理」「コンセプト消化力」など、K-POPのパフォーマンスに対してよく使われる評価基準には枚挙にいとまがない。さらに、人柄もとても重要だ。ファン対応の良さはもちろん、誰がどこに寄付をしたという話題もよく聞く。反対に、熱愛疑惑が浮上すればファンから脱退要求が出る場合もある。
これらを見ていると、K-POPアイドルは、完璧な容姿・完璧なパフォーマンススキル・完璧な人柄を持った「理想の人間」を目指しているように思える。そしてファンたちは、限りなく完璧に近づくアイドルたちに対して、下から尊敬しつつ上から評価するという、ねじれた応援をしている。
数値化できる評価基準を設けたことで、ある基準はダメダメだがある基準は抜群という、加藤神楽のような存在への評価が宙ぶらりんになってしまう。彼女が秋元プロデュースグループにいれば、容姿はもちろんのこと、底抜けにポジティブなマインドも目立って評価されたことだろう。これがK-POP式オーディションの中だと、スキルにばかり論点が行ってしまう。
もちろん舞台はあくまで「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」なので、スキルは重視されるべきだろう。でも、それだけでは面白くない。韓国にその力を問える存在として、本番組の候補生たちは、スキル評価におさまらない自分の色を出して、ぜひどんどん目立っていってほしい。
文:梁木みのり