適菜収が選ぶ「2023年のバカニューストップ10」【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第54回
【第3位 「文化人」と呼ばれる工作員に流れた官房機密費】
官房機密費の使い道について、元官房長官の河村建夫が、朝日新聞の取材に応じ、在任中に「陣中見舞いとして持って行くことがあった」と語り、選挙向けに支出していたことを明らかにした。河村によると、使った機密費は月1億円ほど。これも有名な話だが、自民党は評論家やジャーナリストにカネを渡して、批判的な発言を封じていた。元官房長官の野中広務は、官房機密費を使って政治評論家やジャーナリストにカネを配っていたことを証言している。「文化人」と呼ばれる工作員にカネが流れていたなら、いろいろ納得がいくことが多い。そうでなければ、この10年以上にわたり、安倍を礼賛するデタラメな「言論」が社会に垂れ流されてきた理由がわからない。
【第2位 パンツ泥棒が今度は〝税金泥棒〟の疑い】
自民党を代表する泥棒と言えば国会対策委員長だった高木毅。パンティー関連で逮捕された高木が、今度はパーティー関連で逮捕される可能性も出てきた。高木の手口は巧妙だ。報道によれば高木は単に出来心でパンツを盗んだのではない。合鍵をつくって女性宅に忍び込み下着を物色中、警察に踏み込まれたのだ。目撃者によると、その際、白い手袋をつけていたという。要するにプロの犯行。高木が事件を起こしたのは三〇を過ぎてから。若気の至りなどではない。
結局、権力の中枢に泥棒が食い込んでいたという話。
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- 目次
はじめに−−「B層」とは何か?
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第一章 内田樹と『日本辺境論』
辺境と偏狭
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
B層グルメと某評論家
B層という言葉が出てきた経緯
なぜ日本はこんなことになってしまったのか?
ルース・ベネディクトの『菊と刀』
安倍晋三の行動原理
学問のブレイクスルー
マイケル・ポランニーと暗黙知
百人一首を暗記する意味
「型」を知るということの贅沢
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第二章 自立を拒絶する人たち
白井聡の『永続敗戦論』
終戦記念日という欺瞞
冗談は櫻井よしこさん
「サヨク」と「保守」の自己欺瞞
「主権の欲求不満」の解消
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第三章 「正義」を笠に着る人たち
ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?
「人間は見たいものしか見ない」
社会的リンチというB層の「正義」
人種問題における「正義」の暴走
「ルッキズム」批判は「正義」なのか?
言葉狩りは「正義」なのか?
若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?
山本太郎と「正義感」について
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第四章 陰謀論に走る人たち
「無知の知」と「無恥の恥」
不道徳としか言えない果物屋
「維新に殺される」
新型コロナは「バカ発見器」でもあった
ひっくり返って駄々をこねる老人たち
Yahoo!ニュースのコメント欄
知識はあるけど教養がないバカ
デマは言論の自由にあらず
社会の変化は元には戻らない
99%の人が知らない話
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第五章 無責任な人たち
安倍の次は維新に騙されるB層
メディアの劣化が止まらない
大阪都構想のデマと事実隠蔽
総選挙で湧いてきたB層
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第六章 恥知らずな人たち
飼い犬の遠吠え
安倍晋三の本質を映し出す一枚
ツッコミ待ち政治家だらけの国
日本の崩壊に気づいていないB層
日本最大の権力者は「改革バカ」
「ジューシー」発言は外部の拒絶
悪意なく嘘を重ねる人々
カルト化した自民党広報本部
百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」
日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相
✳︎
おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される