田原総一朗 「『日本会議』は日本の歴史や伝統を守ろうという気持ちを根底に持って活動しているが…」
田原総一朗さん30日毎日連載 Q25.日本で宗教が政治に影響を及ぼすことは考えられますか?
『変貌する自民党の正体』(ベスト新書)を上梓。常に第一線のジャーナリストとして活躍したきた田原総一朗氏に話を聞いた。
Q25.政治問題やAIだけでなく、他にどんな分野に興味を持っていますか?
現に影響しているじゃない。公明党の支持母体は創価学会でしょ。それに最近、名前が出てきている「日本会議」。この組織は、鎌倉にある円覚寺住職、臨済宗円覚寺派管長の朝比奈宗源が、生長の家開祖である谷口雅春らに呼びかけて「日本を守る会」を結成したのが始まりです。それが1997年に「日本を守る国民会議」と一緒になって今に至っている。
現在の会長は、外交評論家で国際政治学を専門とする杏林大学名誉教授の田久保忠衛だけど、他の中心メンバーは、ほとんどが生長の家の元信者ですよ。谷口雅春の発想は「病気を作るのは人間だ」。要するに「氣」の問題と。彼らは、生長の家を信じることで、病気が治った連中ばかりですよ。だから宗教を信じてしまう。そして憲法改正から一歩進んで、新憲法の制定を目指していて、「軍事力増強」「緊急事態条項」などを強く打ち出している。
今の安倍内閣の7割ぐらいがメンバーに名を連ねていることでも知られています。これを影響が及んでいないとは言えない。憲法改正や緊急事態条項の明記などは、安倍政権が目指しているものと非常に近いんです。非常に真面目に日本のことを考えているとは言える。日本の歴史や伝統を守ろうという気持ちを根底に持って活動している。ただし、完全に右翼の発想に近いですよ。
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明日の第二十六回の質問は「今年の終戦の日、安倍首相は『自民党総裁』の肩書きで『玉串料』をおさめましたが?」です。