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週刊文春の「名誉毀損ビジネス」を糾弾する【村西とおる】

『ありがとう、松ちゃん』より

■松本人志氏が週刊文春を訴えた意義

 これらの事実を検証すれば、週刊文春は「言論の自由」を旗印にやりたい放題を行い逮捕された「つばさの党」顔負けのデッチ上げナンクセ・モンスターであることは明らかです。

 裁判にかけられても2〜300万円の賠償金支払いで済むなら「広告費」として安いモンだと高を括り、そのせいで自殺に至った賀川名誉教授をはじめ筆舌に尽くし難い苦しみを10年の長きにわたって味わった「史上最悪の殺人教師」とされた40代の小学校教諭や、冤罪ながら結果としては大学を立ち去らざるを得ない状況に追い込まれながらも生きる気力を振り絞ってきた浅野健一元同志社大学教授らの無念を思う時、己の出世とボーナスの糧として著名人の名誉を平気で毀損してきた週刊文春に「なんという極道なのか」とハラワタが煮えくり返る思いでございます。

 今回、松本人志氏が週刊文春を訴えたのも「これまでの行き過ぎた報道のせいで無実の芸能人が葬り去られてきた悲劇を、もうこれ以上繰り返してはならない、ならば自分が先頭に立って犠牲になっても正したい」との思いであったと理解しています。

 松本人志氏は「X」で「人を笑わせることを志してきました。たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、何ひとつ罪の無い後輩達が巻き込まれ、自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです」とその苦しい胸の内を明かしましたが、週刊文春が率いるメディアスクラムの餌食となった松本人志氏が、なんとも気の毒に思えてなりません。

 名誉毀損ビジネスの週刊文春が「文春砲」として世の中に罷り通り、シレッと裁判に臨もうとしている茶番に、いつからこんなさもしい社会になったのかと悍ましさに鳥肌が立つ思いです。週刊文春発行人・新谷学氏は松本人志氏の「性加害報道」で「客観的証拠は何もない」と述べられています。取材を尽くしたから「真実相当性」で争うのだ、との意でございます。そして「公共性、公益性」の面からも「報道の自由」は許される、との認識でございます。

 一人のお笑い芸人にすぎない松本人志氏のプライベートな飲み会ネタをスキャンダルとして報道する、そのどこに「公共性、公益性」があるというのでしょう。

■松本人志のプライベートネタに「公共性、公益性」はあるのか

 有名芸能人といえども松本人志氏には守られるべきプライベートがあります。「松本人志氏は『大阪関西万博のアンバサダー』であるから『公共性』がある」というのは牽強付会の屁理屈です。であれば社会において公共性のあるビジネスを展開している企業のCMに出演すれば、それらは全て「公共性のある立場の人物」とみなされるのでありましょうか。

 独自の取材で3年半、20回に及び「被害者」とされるA子らと面談し、加害が行われたという「ホテル」の現場写真を撮って確認している、としています。十分な取材を尽くしたのだから記事には「真実相当性」があり、「報道の自由」は認められる、との論法です。

 が、一方の当時者の松本人志氏側には新幹線品川駅での突撃取材一回と、吉本興業へのメールでの質問状のみとなっています。取材を尽くして「真実相当性」があると主張するには、松本人志氏への取材はあまりにも一方的で言い訳に過ぎないことは小学生でもわかる理屈でございます。

 週刊文春はA子らへ独自の取材を敢行した、としていますが、このA子の売り込んだ「性加害ネタ」は昨年12月の週刊文春より早く、私の40数年来の友人であるコア・マガジン社中澤社長が発行する成人漫画誌でイニシャル使用の漫画ながら同じネタが紹介されています。このA子の自己承認欲求に溢れた「有名人との飲み会」ネタは既に2020年頃からネット上に発信されており、いわば「出回り物件」状態なのでした。これを週刊文春は「独自の取材」と称しているのですが、メディアの人間としてのプライドはどこに消失してしまわれたのでしょうか。

 週刊文春は、命にかけても守らなければならない情報提供者であるA子、B子の素性を社内から流出させました。情報メディアであれば、決してあってはならない不祥事です。このことで2人の情報がSNSで飛び交い「有名企業社長の愛人」「枕営業のスペシャリスト」なる艶聞がまことしやかに囁かれました。週刊文春はA子は松本人志氏の裁判の証人になる、と息巻いているとしていますが、果たしてこれから先の事を考えれば、文春記者の「二度とあなたと同じような被害者を出さないために」の甘言につられ、裁判に証人として出る勇気を奮い立たせることができるか疑問です。

■「客観的証拠が何もない」まま性加害問題に

 A子は松本人志氏らの飲み会に参加した後、紹介者の小沢氏に「幻みたいな稀少な会をありがとうございました」「松本さんも本当に本当に素敵で」「ご縁に感謝します」の言葉をLINEで送っています。またその後の別の飲み会にも小沢氏に誘われ参加しています。それが8年後「性加害」と訴え出たことを、週刊文春は専門家の精神科医の言葉を引用し「PTSDにかかったせい」と正当化しています。

 A子自身は再び飲み会に参加したのは「芸能界から干されたくなかった」と「告発するときのために情報収集を続けようと思っていた」とその理由を述べていますが、007や探偵にでもなったような気分なのでしょうか、あまりの分裂症的言説に唖然とするのみです。裁判官の顔に甘い蜜でも塗ってあるとでもお思いでしょうか、舐めた言いぐさです。

 タレントの優木まおみ氏はテレビ番組「情報ライブ・ミヤネ屋」に出演した際「事実はもちろんわからない」とした上で、「私も芸能界に20年以上いて、松本さんのモラハラとかパワハラとかっていうのを現場で聞いたっていうことはないんですよ。セクハラにしても」「そういうふうに思うと、ジャニーズの問題とか、宝塚のいじめの問題とかと、なんかごっちゃにして扱われること自体が、違う問題なんじゃないかってすごく思っていて。社会的なことにすり替えて、ことを大きくしてるんじゃないかなっていう感覚もすごくしてしまう」といった感想を述べられました。

 まさしく週刊文春は「客観的証拠は何もない」と自白に至ったことを顧み、問題を「性加害問題」としてスリ替えています。そのために和田秀樹氏やデーブ・スペクター氏、荻上チキ氏、江川紹子氏、田嶋陽子氏ら著名人を誌面に登場させ、松本人志氏を性加害者と断定する論陣を張ったのです。これら著名人は口々に松本人志氏を何の根拠も証拠も示すことなく「性加害者」と断定し自分勝手な人権侵害の論を述べたのです。それは天下の文藝春秋に操を立てることで、身過ぎ世過ぎをしていこうというあざとい魂胆に思え、まるで誰とでも寝る夜鷹のごとくに感じられたのでございます。

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村西とおる

むらにし とおる

一九四八年九月九日生まれ 福島県出身、福島県立勿来工業高校卒、上京後、バーテン、英会話セットのセールスマン、テレビゲームリース業を経て「裏本の帝王」となるが全国指名手配となり逮捕される。その後AV監督となって今日に至る。 前科七犯(うち米国で一犯)。これまで三〇〇〇本のAVを制作し、七〇〇〇人の女性のヒザとヒザの間の奥を視姦してきた。〝顔面シャワー〞〝駅弁〞の産みの親。「昭和最後のエロ事師」を自任し、「AVの帝王」と呼ばれている。「ありがとう、松ちゃん」応援委員会の発起人。

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