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ソムリエがいないお店で問われるワイン術

人生を変えるワイン学 第3回

◆ワインを注ぐのは男性の役目

 さて、テーブルにワインボトルとワイングラスが運ばれてきました。

 以前、会社の忘年会でワインバルに行ったときのことです。同僚の男性のワイングラスが空になったので、ついソムリエという仕事柄、私はボトルを手に取りワインを注ぎました。
 すると、お店の方がすぐに駆けつけ「女性がワインを注いではいけません」と言ってワインを同僚の男性にサッと注いでくれました。
 海外では、女性が男性にワインを注ぐというのはNG! マナー違反になるのです。
 男性が女性をエスコートするので、ワインを注ぐのは男性の役目
 もし女性がマナーを知らずにワインを注ごうとしたら「僕に注がせて」とサラッと言って注いであげれば好感度もあがるはず。女性に恥をかかせないというさりげない優しさを。

◆ボトルの持ち方 

片手の場合

 まず、指を大きく開いてボトルの底を持ちます。
 そのときに気をつけてほしいのは、エチケット(ラベル)が上にくるように持つこと。
 

 エチケットが相手に見えるためにと、ワインの雫がたれてエチケットを汚さないためです。片手で持つ方がスマートですが、ワインボトルは重いのでこぼれるのが心配な方は両手で持ってもOKです。

 

 

 

両手の場合

 両手の場合は、片手で底を持ちワインボトルの下にもう一方の手でそっと支えましょう。

 

 

◆ワインの注ぎ方

 そして、ワインを注ぎます。
 ここで注意したいのは、ワインボトルの口にグラスをつけないこと。ワイングラスを倒したりしないようにするためと、ボトルの口を伝ってワインの雫がこぼれないようにするためです。
 ボトルをグラスから少し離して注ぎ、注ぎ終わったらボトルを少し回して雫を切るとスマートです。

◆どこまでワインを注ぐのか 

ふくらみが一番大きいところまで

 ワインはグラスになみなみと注ぎません。

 ワインは「香り」と「味わい」で楽しむもの。味わうのには香りが必要なのです。
 香りを引き出すためにワイングラスはボウルという膨らみがあります。グラスいっぱいにワインを注いでしまうと香りが立たなくなってしまいます。

 注ぐワインの量はワイングラスの一番ふくらみの大きいところまでにしてくださいね。
 グラス全体の1/4~1/3ぐらいまでが目安です。

 

 

 

◆ワインをグラスに注ぎ足す気配りを

 女性のワイングラスが空になりそう……と思ったら、グラスが空になる前に注ぎ足すのがスマートです。
 注ぎ足すワインの量は最初に注ぐ量と同じ、グラスの一番ふくらみの大きいところまで。
 でも、白ワインやスパークリングワイン、高級ワインを注ぎ足すときは例外なのでご注意を! 
 冷やして飲む白ワインやスパークリングワインは、時間が経つと温度が上がっているので、なくなってから冷たいワインを注ぎましょう。
 また、高級ワインの場合はグラスの中で空気に触れることで香りが開いてきたところで、注ぎ足してしまったらまた開くのを待つことになってしまいます。こちらもグラスが空になってから注ぐことにも注意を。

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竹内 香奈子

たけうち かなこ

ソムリエ/ワインショップ「mista」店長。所属事務所パールダッシュ。

 

短大卒業後、ワインを独学で学び、2010年に日本ソムリエ協会「ソムリエ」の資格を取得。現在、大阪心斎橋のワインショップ「mista」の店長を務めながら、自身の経験や知識を元にワインを中心としたライフスタイルの提案を行っている。

 

◇オフィシャルブログ「竹内香奈子のお家飲みワインのススメ

 

◇「mistaワインセレクトショップ

 

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