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不登校の小中学生約34万人超!(すべての各教室に不登校生徒が2,3人!?)「義務教育」の意味を問う【西岡正樹】

 

◾️「フリースクール」に通う不登校児童数は1万人強

 

 社会が大きく転換している今、「学校へ行かない・行きたくない・行けない児童生徒」=「不登校」という図式は、もはや当てはまらなくなっています。また、家庭の方針や子どもの意志で学校へは行かない、と決めて行動している児童生徒も少なくありません。そのような家庭は「学校教育」そのものを信頼していないし、そればかりか、独自の教育を子どもたちに施したいと思っているはずです。自分の子どもを「不登校」というマイナスイメージの中に入れてほしくないと思っているかもしれません。

 調べてみると、地域の公立小学校や私立小学校に通わずに「フリースクール」に通っている不登校児童数は1万人強(全国の不登校児童生徒数の30人に1人がフリースクールに)います。思いの通りか思いに反してかは定かではありませんが、「学校教育に頼らない教育」を実践しているということになるでしょう。そのように考えると、「不登校」というマイナスイメージを持った言葉が、フリースクールに通う子どもたちについて回るのも、フリースクールに通う子どもたちや保護者にしても心外な話です。

 このような社会状況の中で言えることは、現代日本社会では「義務教育=学校で学ぶ」が立ち行かなくなっているということです。「義務教育=学校で学ぶ」の構図が崩れている中で、「不登校」というマイナスイメージを持った言葉が、新聞やSNS上に飛び交っていることに私は大きな違和感を覚えますし、それでも「義務教育=学校で学ぶ」を貫くのであれば、国はそれだけの強い意志を持って、もっともっと効果的な取り組みをしなければならないのではないでしょうか(それは難しいでしょうね)。

 

  私の周りにも「不登校児童生徒」(学校に行かないと選択した子)が数人います。私は過去にも多くの「不登校児童生徒」と言われる子どもたちと関わってきました。またその度に「不登校児童生徒」の保護者とも話をしてきました。その中で、多くの保護者は「これは自分たちが解決すべき課題だ」と思っていたし、「この課題は自分たちが背負わなければならない大きな重荷」として捉えていたのです。

 ある日突然子どもが学校に行かなくなる。その時の保護者の戸惑いは計り知れないものがあります。それは多くの保護者にとっては青天の霹靂で、ほとんどの保護者は「どうしてこんなことになったんだろう」と茫然自失の状態になってしまします。しかし、「不登校児童生徒」にはそれなりの理由があり、そのきっかけとなる出来事が必ずあるのですが、教師は当然のことながら、家庭の中でもその理由を共有することはなかなかできません。

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西岡正樹

にしおか まさき

小学校教師

1976年立教大学卒、1977年玉川大学通信教育過程修了。1977年より2001年3月まで24年間、茅ヶ崎市内の小学校に教諭として勤務。退職後、2001年から世界バイク旅を始める。現在まで、世界65カ国約16万km走破。また、2022年3月まで国内滞在時、臨時教員として茅ヶ崎市内公立小学校に勤務する。
「旅を終えるといつも感じることは、自分がいかに逞しくないか、ということ。そして、いかに日常が大切か、ということだ。旅は教師としての自分も成長させていることを、実践を通して感じている」。
著書に『世界は僕の教室』(ノベル倶楽部)がある。

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