アメリカ野球が見る「KOSHIEN-甲子園-」
(下)最大のメジャーリーガー産出国・ドミニカが日本野球をうらやむ点
熱投と甲子園。今こそ考えたい日本野球の在り方。
■6人ローテーション制の妥当性
すべての物事にはポジティブ、ネガティブの両方が存在する。そして、フィッツパトリック氏は、日本球界の良いと思える部分を考慮した上で、アメリカ球界の将来にまで目を向ける。
「高校野球の習慣に相反するように、休みと調整の時間をより多く設け、1週間に一度だけ先発するという日本プロ野球の通例は理にかなっている。もうかなり前から考えていたことだが、僕個人の意見としては、今後はメジャーも日本と同じように6人ローテーションを採用する方向に進んでいくと思う。これだけ多くの好投手が怪我しているなら、何かの対策を講じようとするのが当然だよ」
カブラル氏の意見に代表される、同じベースボールでも、日本とはかなり違った文化、習慣のもとにプレーするドミニカ共和国の人々のコメントはいずれも興味深かかった。〝Koshien〟のカルチャーにはなかなか共感し難くとも、その言葉からはそれぞれの選手が任務をまっとうする日本野球へのリスペクトも少なからず感じ取れる。そして、日本の一部の報道に反し、必ずしも「投手の多投=悪」という意見がすべてではなかった。
またフィッツパトリック氏のように日米の良い面を認め合い、お互いが取り入れるべきだという指摘は、的確かつ合理的な意見である。(引用ここまで)。
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高校野球という特殊な文化を、我々はどう捉え、今後どのようにしていくべきなのか。その一助となればうれしい。