「備蓄米が放出されても価格は上がる可能性」お米マイスターが指摘。令和の米騒動を“ご飯の冷凍貯金”で乗り切れ
価格はどうなっていくのか?備蓄米や古米とどう向き合うべきか?
■時間が経ったお米を美味しく頂く法
炊飯や料理でのヒントもいただいた。
「基本的に精米してから時間が経ったお米はパサツキがちなので、水を多めにしてください。いつも食べているお米の水加減が1カップに対して水1カップですがだったとすると、パサついていると感じるお米なら1.2倍などと、多めの水量にすると良いでしょう。吸水時間もしっかり持たせてください。お酒やみりん・ハチミツ等を入れることをオススメするところもあると思いますが、“異物混入”は炊飯器の内釜や圧力弁を痛めるのでNGです!」
時間が経ったお米を美味しく食べるための調理法としては、「チャーハンやドライカレーがオススメです。スパイスを入れることで匂いを消せますし、油で炒めることでパサついた感じも気になりません。リゾットやおじやなど、水分を多めに使う料理も時間が経ったお米は向いています」
また、時間が経ったお米の表面を「再精米」する裏ワザも教えてくれた。「金網のざるに入れて手でガラガラと、網目に擦りつけるようにかき回すと、ざるの網の下に白い粉が落ちます。これは酸化したお米表面の古くなった部分なので、これを落とすことで匂いや黄ばみ、ザラザラ感が軽減されます。ビニール手袋をして1分ほどかき回すと効果的です」

さらに、時間が経ったお米と精米日が新しいお米をブレンドする方法も効果的だ。「時間が経ったお米7:新しいお米3の割合で混ぜると、味をごまかせます」とのこと。
西島さんは最後にこうアドバイスする。
「これから備蓄米が放出されます。今まとめ買いに走ってしまうと、品質や食味が落ちてしまったお米をいつまでも食べることになりかねません。食べ終わったら買う、というサイクルが今はもっとも賢い選択です。そして、もし時間が経ってしまったお米が手元にあるなら、今回ご紹介した方法で美味しく食べきってください」
取材・文:BEST T!MES編集部
西島豊造さんプロフィール
株式会社スズノブ 代表取締役
北里大学獣医畜産学部畜産土木工学科卒業後、北海道で農業コンサルタントに勤務し、1988 年 9 月に、家業の株式会社スズノブを継ぐ。 五ツ星お米マイスターの資格持ち、新しいお米の時代を作っていきたいという考え方から、大学時代に得た「土」の知識、北海道で得た「農業土木」の知識、産地を回ることで得た知識等を活かしながら、産地と消費者をつなぐパイプ役として、多くの生産地の、産地の特徴を活かした地域ブランド米作りと地域活性化を手伝っている。