トランプ米国「TPP離脱」表明でも
安倍晋三が語り続ける
日本経済再生の方法とは?
作家・哲学者の適菜収が「安倍政権の無能と欺瞞」を討つ批判の毒矢
アメリカのトランプ次期大統領は、TPP(環太平洋経済連携協定)について「就任初日に離脱を表明する」と述べ、選挙戦で訴えたTPP協定からの離脱の方針を直ちに実行に移す考えを改めて表明した。
「私の政策課題はアメリカ第一主義という原則に基づいている」
「アメリカにとって大きな災難となるおそれがあるTPP協定からの離脱を表明する。代わりに、アメリカに雇用を取り戻し、産業を復活させる公平な2国間協定の交渉を進める」
と、国内の雇用拡大を重視する考えをトランプは強調した。
アメリカ経済が保護主義に向かう意思を見せるなか、安倍首相はこれまで「経済のグローバル化こそが日本経済を救う」かのような発言を繰り返してきた。
とくにTPPをはじめとした農業、また医療、教育等の社会共通資本といわれる分野の市場開放化も盛んに推奨する発言をしてきた。
安倍政権が夢見る日本経済の再生とはどんな形で行われようとしているのか?
そして、トランプ次期大統領が改めてTPP離脱を表明した今、安倍首相はいったい何を語ろうとしているのか?
今こそ、安倍晋三の経済政策についての発言を振り返る。
※以下、適菜収著『安倍でもわかる政治思想入門』から本文一部抜粋して引用
経済政策について 二〇一四年一月二二日 安倍晋三のダボス会議冒頭演説
「そのとき社会はあたかも
リセット・ボタンを押したようになって、
日本の景色は一変するでしょう。」
二〇一四年一月二二日、世界経済フォーラム年次会議(ダボス会議)冒頭演説で安倍は、徹底的に日本の権益を破壊すると宣言。電力市場の完全自由化、医療の産業化、コメの減反の廃止、法人税率の引き下げ、雇用市場の改革、外国人労働者の受け入れ、会社法の改正などを並べ立て、「そのとき社会はあたかもリセット・ボタンを押したようになって、日本の景色は一変するでしょう」と発言。日本に対する投資を訴えた。
「グレート・リセット」などと言っていた大阪の詐欺師もいたが、安倍も同類のファミコン脳。
精神が幼すぎる。
国家や社会は非常に脆いもの。細心の注意を払ってそれを運営するという極めて危険な綱渡りのような作業を引き受けるのが政治の役割でしょう。
それをリセットしてどうするのか?
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