問題:次の◯◯◯を埋めよ。糖尿病合併症の「真犯人」は◯◯◯である。
糖尿病専門医・牧田善二氏が、老化の原因「AGE」をわかりやすく解説!
AGEは全身を壊していく
糖化、つまりブドウ糖がタンパク質と結びつくことで生まれたAGEは、焦げたシミのようなタチの悪い物質で、体のさまざまな組織にベタベタとくっつき、その組織を壊していく。
たとえば、皮膚の細胞にくっつけば、シミやシワをつくりだすし、腎臓の膜にくっつけば、炎症を起こして腎症を招く。
このように、AGEは体中のありとあらゆる部位に悪さをするが、とくに、血管、腎臓、筋肉、コラーゲンなどに大きな害を与える。
AGEは、糖尿病の合併症はもとより心筋梗塞、脳卒中、骨粗鬆症、アルツハイマー、高血圧、がんなどと関わりがあることがわかってきている。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学が、地元のボルチモアとイタリアのトスカーナで行った調査結果がある。
ボルチモアでは、六五歳以上の女性五五七人を四年半追跡調査した。その結果、血中AGEが高い人は死亡率が高かったが、コレステロール、中性脂肪、喫煙などによる顕著な死亡率への影響は見られなかった。
トスカーナでは、六五歳以上の男女一〇一三人を六年間にわたり調査した。やはり、血中AGEが高い人ほど死亡率も高かった。
このように、「長寿のためには血中AGEを増やさないように心がけるべきだ」ということを、最新の医学調査は明らかにしている。
糖質を摂りすぎれば、余ったブドウ糖がタンパク質と結びついてそれを劣化させ、血中AGEが高くなることは言うまでもない。
<『日本人の9割が誤解している糖質制限』(ベスト新書)をもとに構成>
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