『浮気しない夫を探しているならお見合いに行け』
婚活に成功する人と失敗する人の分かれ道~スペシャル対談②エッセイスト・小林久乃×ゲイの精神科医・Tomy
■「私、婚活をしている!」という意識を捨てないと男性は逃げるし、老けそう(小林)
Tomy 「小林さんは男性を条件でチェックする派ですか?」
小林久乃(以下:小林) 「全然です。もう経済的には自立していますから、直感を基準にしてパートナーを選んでいます。でも結婚となると、譲れない条件がひとつだけあって……」
Tomy 「ほう、なんでしょう?」
小林 「(結婚相手の)宗教や国籍も気にはしますけど、それ以上に譲れないのは“育ってきた環境”です。私は未婚ですけど、友人の離婚のお世話だけはたくさんしてきました。で、離婚の原因に挙がってくるものを見ていると、金銭のこと、それも実家同士の問題は大きいです。幸いなことに実家は借金のない環境で育ててもらったんです。だから、もし好きになった人に『俺、実家がど貧乏だったんだよね』と言われても、知識も経験もないから理解してあげることができないんですよ。で、そのまま結婚したら、解せぬ事項が生涯つきまとってくることになる。これは避けたい。自分側に選択肢があるなら、問題が起きそうなことはスルーしたいから、そういう人は選ばないと思います」
Tomy 「相手に、何か“育ってきた環境”に代わるものがあればいいですよね」
小林 「そうですね。キンプリ級に顔面偏差値が高いとか、もう私が好きで好きでしかたなくて狂っているとか。(笑)Tomy先生には条件はないんですか?」
Tomy 「僕たちゲイの世界には結婚という制度がないから、条件は全然気にしない。あと交際するまでのスピードが男女のカップルと比べると、めちゃくちゃ早い。僕なんて、すぐに告白しますからね」
小林 「うーん、……それは見ていて、うらやましさを感じる時もあります。みんな、気持ちに率直ですからね。年齢を重ねると忘れてしまうんですよね、あの感じ。若い頃はくっついたり、離れたり、気持ちに従っていたのにな」
Tomy 「でもね、条件なんて “見てしまう”ことが悪いんですよ。高級ホテルで、高ビーなホテルマンがフロントで、客のことを頭の先からつま先まで、舐めるように見て持ち物チェックをしているのと同じ行為です。だから好きになるかもしれない人は、まず“感覚”で見ましょう。また会いたいかどうかとかね。それができている人は、いい人を捕まえています」
小林 「婚活でいういい人は究極、誠実な人です。金と女にだらしなくない人。言葉にすると簡単だけど、これがなかなかいないんです」
Tomy 「そんなに確実な結婚を求めるなら、地味なタイプの男性を選んだほうがいいんですよ。やっぱり昔ながらのお見合いが一番ですね」
小林 「それは私も大賛成です! 著書にも書いたのですが、いわゆるお見合いおばさんみたいな人を介して出会うのは正解。私の地元で開催しているんですけど、教職を退任した先生たちが行っているんです。こんなデジタル化している時代なのに、必ず対面式で希望を確認している。おそらく人間性も見ているんでしょうね。彼らが紹介してくれる人は、やっぱり気が合ったんです。狭い街ですから、実家同士の経済状況も察知したうえで、合っている人を紹介してくれるんですよ」
- 1
- 2