西郷どんはやはり女好き!? 「敬愛天人」私利私欲を捨てた維新の立役者・西郷隆盛
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第11回
・「印綬(いんじゅ)」:習得本能が強く、とっても頭のよい星。
西郷家は下級武士の家系であり、藩校(造士館)に通って教育を受けた。ここには、年長者が年下の者に対して責任を持って教え導くという独特の教育システムがある。隆盛は20歳で年長組のリーダー「二才頭」に選ばれており、大久保利通等、明治維新を担う多くの人材を育成している。少年時代に右腕にけがを負ったことから学問で身を立てるべく勉学に励んでおり、周りより学問に秀でていたことは確かであろう。
・「養(よう)」:
「養」はかわいい子どものイメージ。子どもは皆に好かれ可愛がられるように、「養」を持つ人物は、人気者で目上の人から引き立てを受ける。
西郷家は下級武士の家系。にも関わらず、明治維新で活躍できるまでに藩内で頭角を現したのは、藩主・島津斉彬の引き立てのお蔭であろう。斉彬は、藩政に対する意見書を求めた際、隆盛は、農政等に関する建白書を書き、藩庁に提出した。この建白書や意見書が、斉彬の目に留まり、登用のきっかけになっている。斉彬は隆盛に「庭方役(にわかたやく)」を命じ、国内の政治情勢や諸外国との関係、日本の政治的課題について教育をしたという。斉彬による隆盛の格別な引き立ては、「養」が一因なのかもしれない。
・「長生(ちょうせい)」:
とにかく他人から信用される星。
斉彬をはじめ、大勢の人物から頼られていたが、殊に坂本龍馬の信頼をなくしては「薩長同盟」は成り立たなかったとも言える。龍馬が姉・乙女に書いた手紙の中に、「私し其内ニも安心なる事ハ、西郷吉之助の家内も吉之助も、大ニ心のよい人なれバ此方へ妻などハ頼めバ、何もきづかいなし(もし薩長と幕府が戦争になった場合、妻を西郷家に預けておけば心配ない)」と書いているが、どれほど強い信頼を置いていたか伝わってくる。「わかりもした」の一言で時代を変えてしまう隆盛。何か頼れるオーラを持っていたのだろう。
・「絶(ぜつ)」:
人に裏切られたり精神的孤独を感じたりする、苦労が多い星。普通の生活に向かない。
隆盛は人から信用されるリーダー…その反面、「絶」のような、生きにくい性格を持っていたというのは、個人的には納得が行く。最終的に西南戦争で自刃をした隆盛だが、その前にも2度、自殺を図っている。1度目は、斉彬が亡くなった時。斉彬を強く慕っていた隆盛は、切腹し後追いしようと考えた。それを思いとどまらせたのが、京都清水寺成就院の僧侶・月照。しかし、安政の大獄で月照が追われ、月照を切り捨てるように命じられると、今度は月照と2人で入水自殺を図る。「絶」は最もエネルギーが低い星。安定感がなく、フラフラしてしまいがちである。そういった危なっかしい部分も持っていたのだろう。
今回の鑑定結果について、西郷隆盛のご子孫、西郷隆仁氏に見解を伺った。「どの結果も納得の行くものであるが、女性好きというのはやっぱりという感じ(笑)。坂本龍馬は隆盛について『小さく叩けば小さく響き、大きく叩けば大きく響く男。もし馬鹿なら大馬鹿で、利口なら大利口だ』と表現しているが、捨て身で飛び込む偏官のような部分を強く持っていたのだろう」
※今回の鑑定において、西郷隆仁氏の講演資料を参考にさせてもらった。ありがとうございました。
複数回の流刑罪に、二度の自殺未遂。明治維新を成し遂げた英雄から一転、逆賊へ。何とも波乱万丈な人生である。その一見理解不能な行動を裏付ける根拠として、「命もいらず 名もいらず 官位も金もいらぬ人」。私利私欲を捨てて奔走した隆盛の心意気がある。
来年の大河ドラマは、「西郷(せご)どん」。今年の大河ドラマ、「おんな城主 直虎」の主人公、井伊直虎は後に隆盛が翻弄されることになる井伊直弼の祖先にあたる。何の因果か、興味深いところだが、来年の大河ドラマを楽しみに、今年の大河ドラマも満喫しようと思う。
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いてグレゴリオ暦に換算し鑑定している。
日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分
主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。
自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。
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