【一億総監獄‼️】懲役21年2カ月の元ヤクザ、コロナ禍の休業要請ニッポンの「自由」を問う
【塀の中はワンダーランド】
コロナ禍ニッポンに休業要請が出る——私権(自由)制約の休業要請だ。
たしかに生命は大事だ。でも、その生命を最大化させる「自由」の幸福を犠牲にし続けるなら、もはや私たちは「飼い犬」も同然だ。その意味では、「一億総監獄状態」といってもいいだろう。本来4月に発売する予定だった『塀の中はワンダーランド』の著者で元ヤクザでクリスチャン、現在は建設現場の墨出し職人でもあり、懲役「合計」21年2カ月(7725日)のさかはらじん氏に現在の日本の「監獄」状況について話を聞いてみた。
◼️一億総監獄ってのはなんかやだねえ・・・
編集部———じんさんは、懲役「合計」21年2カ月(7725日)で、中野・府中・府中・新潟・府中・帯広・帯広・神戸・札幌と刑務所暮らしをされましたが、現在の私たちの生活は新型コロナウイルス感染症から休業要請を受け、さらに「箸の上げ下げ」レベルまでの自粛を政府から強いられています。
じんさん———これは、一億玉砕、一億総懺悔、一億総中流、一億総白痴、最近では一億総活躍なんて言ってたと思うけれど、まさに「一億総監獄」状態かもしれませんね。シャバも「塀の中」になったみだいだ。なんかやだねえ〜(笑)。ただ、日本人っていうのは、本当に真面目なのか、それとも従順すぎるのか、元ヤクザの視点から考えると、ある意味非常に危なっかしいね。だって「欲しがりません勝つまでは」と我慢したところで、負けてしまえば、誰も補償しないよね。前の戦争もそして今もだろう。ボクも戦後すぐの生まれだけど、母は早く亡くなり、父も兄とボクを捨てて後妻とどこか行ってしまって本当に貧乏暮らしでね、近所の人たちだけでなく学校もみんな冷たかったんだ。食っていくために盗みもしたし、そうしなければ生きられなかったからね。ボクたち日本人は、ご近所では、負けてる人や弱い人にどこか厳しいよね、遠くの他人には優しいんだけど(笑)。
真面目に従った国民への仕打ちが、倒産でした。職を失いましたなら、これは救われないですよね。だから、ボクはどこかで、自分の体で生き残るために何が必要か、その判断は個人それぞれがするべきだと思っているんです。
編集部———一億総監獄! じんさんは、元ヤクザからキリスト教徒となり、回心され、そのメチャクチャで破天荒な人生と塀の中の生活を自ら綴った『塀の中はワンダーランド』を5月、上梓されますが、じんさんの「塀の中」体験から、現在の日本の「不自由さ」をどう感じますか? 刑務所生活とどちらが息苦しいでしょうか?
じんさん———なにもなければ、シャバ(一般社会)は監獄と違って、そりゃあ自由があって生きやすいね。特に金があればだけどね。あくまで一般論(笑)
でもさ、今はコロナ禍で社会全体がコロナという塀に囲まれて社会全体が自力では生きられない青息吐息な状況に追い込まれちまってる。国からエサを貰わなければ生きられない監獄と変わらなくなっちまってるんだ。
自給自足ができない生き難い状況は、自殺者を出す始末。コロナ禍が長引けば、いっそ刑務所にいた方がいいと思う人間も出てくるだろうね。実際、そうかも知れない。
監獄は失業者は出ないし、食の心配はない。
ある意味気楽だろうね。
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2020年5月27日
『塀の中のワンダーランド』
全国書店にて発売!
新規連載がはじまります!
《元》ヤクザでキリスト教徒《現》建設現場の墨出し職人。さかはらじんの《生き直し》人生録
「セーラー服と機関銃」ではありません!「塀の中の懲りない面々」ではありません!!
「塀の中」滞在時間としては人生の約3分の1。ハンパなく、スケールが大きいかもしれません。
絶望もがむしゃらに突き抜けた時、見えた希望の光!「ヤクザとキリスト〜塀の中はワンダーランド〜」です。