機動破壊炸裂!ホームスチール、重盗…… 健大高崎の強さの秘密に迫る
「走力」で高校野球を牽引し続ける健大高崎が取り組むノート
分業制で確立される指導体制
ミーティング後に行われた、東海大会でも葛原キャプテン率いる四日市工は優勝。さらに、秋の神宮大会でも優勝を果たした。
全国大会の頂点を経験した葛原コーチの野球脳がそのまま詰まった野球ノートは、健大高崎のコーチに就任してからも、必要があれば生徒たちに見せた。
青栁監督が就任してすぐにチームに取り入れられた野球ノートは、葛原コーチや生方コーチが来てからは、しばらくはコーチ陣が選手たちのノートを見ていた時期もあった。その時に、葛原コーチが、振り返りの内容が浅い選手に、「このノートは、やらされて書くものじゃないぞ」と話し、「俺も高校時代は、書いてたんだよ」と実際に当時のノートを見せのだ。そのことで選手も納得して、野球ノートに取り組むようになるという。
ここ数年は、ノートも分業制となり、毎日提出する野球ノートは再び、青栁監督が見るようになった。一方で、葛原コーチは、コンディショニングについて記載されたファイルチェックが日課だ。これは、「個人データ」といって、その日の体重など自分の体の状態と、トレーニング値を書くシートで、昨年(編集部注・2014年)12月から導入された。
さらに、生方コーチは、バッティングノートといって、これは毎日出すルールはないが、自分で気付いたことや、コーチに質問をしたい時に使うノートを担当する。
野球ノートは青栁監督へ。コンディションのシートは葛原コーチ、バッティングノートは生方コーチと完全に分業して、選手の心や体、技術の状態を多方面からチェックできる体制が整っている。
(『野球ノートに書いた甲子園3「コメントのない野球日誌」』より再構成)