戦国の記憶・国宝天守と真田の居城
信州「2大名城」を巡る
再発見! ニッポンの歴史舞台を旅する②
松本城〜名水の町にそびえ立つ
現存する日本最古の五重天守
信州松本は、水の名所だ。美ヶ原高原などの山岳地帯や扇状地から染み渡った地下水が湧き水を育み、それらは「まつもと城下町湧水群」として全国でも高い評価を受けている。
そして信州の水景色といえば、美しい水堀に囲まれた松本城の姿を思い起こす人も多いだろう。雄大な北アルプスを背景に悠然とそびえる黒と白の五重天守。信州屈指の観光名所だ。
全国でも5カ所にしかない国宝天守。文禄3年(1594)頃、これを築いたのは豊臣秀吉や徳川家康に仕えた戦国武将、石川数正と康長親子。また、天守に付随する月見櫓と辰巳附櫓は太平の江戸時代になってから増設されたものだ。戦国乱世の要塞らしい風格ある天守に優雅な月見櫓の趣。他の城にはない、松本城独自の景観美である。
上田城〜直通バスで移動し
真田氏が築いた名城へ
信州の歴史スポットを訪れる際に、絶対に外せないのが上田である。天正11年(1583)に戦国時代の名将・真田昌幸が築き、真田信之・信繁(幸村)兄弟が活躍した舞台だ。小規模な城ながらも徳川軍を2度も退けた名城でもある。城内には3基の櫓が残り、南側の断崖・尼ヶ淵から見上げる櫓群の石垣は、堅城ぶりを雄弁に物語る。
城の二の丸跡に建つのが「上田市立博物館」だ。真田昌幸の具足、犬伏密談図、武田信玄寄進状など、武具や古文書、美術工芸品など4万5000点を収蔵。真田家のみならず上田の歴史に触れることができる。
松本市と上田市は直線距離で約40kmあるが、直通バスが通っているので往来に便利だ。ぜひ活用して城周辺にも歴史的スポットが満載の、ふたつの城下町を楽しみたい。
お問い合わせ・・・松本市観光情報センター☎0263-39-7176、松本市観光案内所☎0263-32-2814、松本市観光温泉課☎0263-34-3000、松本観光コンベンション協会☎0263-34-3295、上田市観光課/上田観光コンベンション協会☎0268-23-5408