あおむろひろゆきのてくてく子育て日記〈第28話〉「家出」
子どもが突然家を飛び出して一大事!かと思いきや……?
つい先程、子どもが家出をしました。ここ数日は天気の悪い日が続いていて、今日も雨。どうしても公園に行きたい子どもに「せめて雨がやんでから」と説得するも全然納得してくれず、最後は「もうイヤーッ!」と家を飛び出してしまいました。
道に飛び出して事故にでも遭ったら大変だ!と慌てていたら、妻は落ち着いた様子で「大丈夫やで、外見てきてみ」と言います。焦る気持ちを抑えつつ、そっとドアを開けて外を見ると……子どもがドアのすぐ隣で、壁に向かってうずくまって身を隠していました。
「頭隠して尻隠さず」どころか、頭すら隠れていない! でも本人は真剣に隠れている様子で、その様子がとても可笑しくて、つい噴き出してしまいます。すると私の姿に気づいた子どもが、怒った様子で「なんで笑ってるん!」とプリプリ。
私も幼稚園に通っていた頃、家出をした事がありました。なんで家出したのかは忘れてしまったけれど、家を飛び出して、家の前の空き地でジーッとしていたんです。家のすぐ前だったけど、私にとっては大きな冒険でした。怒る気持ちと、このまま誰も迎えに来てくれなかったらどうしよう……という不安な気持ちが混ぜ混ぜになって、とても複雑な気分だった覚えがあります。
しばらくしてニコニコと笑いながら父親が追いかけてきたので、「なんで笑ってるん!」って怒ったんですね。そういえばこうやって、子どもと同じこと私もやってたんだ。
当時はそう怒ったけれど、今ならあの時の父親の気持ちが分かります。もうね、ひたすらかわいい。プリプリ怒っている姿も、一生懸命隠れている姿も、私に見つかって必死に逃げる小さなうしろ姿も、最後に抱っこされて「イヤーッ」と泣きながら足をバタバタする姿も、全部かわいい。めちゃくちゃ恵比須顔になっちゃう。
こうやって、自分が子供の時には分からなかった父親の気持ちというものが、またひとつ理解できるようになりました。
ちなみに、結局その後公園に行って、子どもは泥だらけになりました……。トホホ……。