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武将ハメ撮りの謎 ※R指定話ではありません

鈴木輝一郎 戦国武将の史跡を巡る 第27回

岐阜在中の歴史作家・鈴木輝一郎がゆるりとめぐる、戦国武将の史跡。
つい見落としてしまいがちな渋い史跡の数々を自らの足で訪ね、
一つ一つねぶるように味わい倒すルポルタージュ・ブログシリーズ!

 以前、新刊のプロモーションビデオを自作しました。なにせ織田信長・木下秀吉・徳川家康・明智光秀の四人が一緒に戦う、ってな豪華な話で、しかもフィクションじゃなくて史実。
 ほいでもって名古屋は、このうち信長・秀吉・家康の三人が揃うんですな。もちろんフランチャイズは微妙に違いますけどね。家康は三河だし、信長は岐阜。秀吉は大阪。でも、ふつうは三河と尾張の区別はつかんわな。岐阜にいたっては、どこにあるか、ほとんどの人が知らない。

 

 で、舞台監督やってる知人にPVの話をしたら、「んじゃ、顔ハメやってみない?」と提案が。顔ハメってのは、観光地においてある看板で、顔だしてぱちり、とやるアレ。

 で、さっそく「戦国武将 顔ハメ」で検索かけてみると、あるわあるわ。
 実は、名古屋城の売店の横にいくと、一カ所で信長・秀吉・家康の顔ハメがぜんぶ撮れてしまうコーナーがある。でもさすがにそれでエッセイ1本仕上げるのは安易なので、違うパターンでいってみましょう。岡崎城には三カ所ぐらい徳川家康の顔ハメがあります。写真はその一つ。

徳川家康の顔ハメ

 織田信長は岐阜城のロープウェイ乗り場にもあるんですが、岐阜城は今後何度もとりあげることになるでしょうから、清洲城のおみやげ屋さんのところで。

豊臣秀吉の顔ハメ

 大阪の秀吉人気は圧倒的ですね。検索をかけると大阪近辺に山のように顔ハメが出てきます。これはまたいずれ。

 意外なことに、有名なのに顔ハメ看板がないのが明智光秀。岐阜県明智町にも京都府亀岡市にもない。検索をかけると熊本のほうにあるらしい──と確かめてみると「明智光秀の娘の細川ガラシアの顔ハメ」だったりしてがっかり。けっきょく、かなり強引な方法で、土岐桔梗の前立をつけた明智光秀の顔ハメ看板をでっちあげました。この明智光秀の顔ハメ、どこの看板でどうやって撮ったか、わかります?

作者自作の明智光秀の顔ハメ

 それにしても、顔ハメというといかにも投げやりで、どうでもよさげな雰囲気が全開なんですが、いざ撮影していると、けっこうハイペースでみんなが撮る。デジカメと写メールが普及に一役買ってますね。撮った人はかならずその場でたしかめあって、なごんでいます。

 えー、明智光秀ファンと明智光秀関係者のみなさん。そんな具合なので、明智光秀の顔ハメを作りませんか?

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鈴木 輝一郎

すずき きいちろう

作家

1960年岐阜県生まれ。小説家。歴史小説『浅井長政正伝』『戦国の凰 お市の方』など著書多数。2008年には著作が50冊に達した。

日本推理作家協会・日本文藝家協会・日本冒険作家クラブ会員。


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