休んでも仕事疲れがとれない! その悩み柔らかい筋肉が解決します
お尻をほぐせば「疲れ」はとれる 第2回
ストレッチの疲労予防効果
ストレッチで体を柔らかくすると姿勢がよくなるだけでなく、様々なご利益が得られます。その筆頭は疲労とストレスに対する効果。
仕事や家事で肉体を酷使する頃の疲労は、エネルギー源の減少などによる動的疲労でした。これに対して現代の疲労は同じ姿勢を長時間保つことによって起こる静的疲労です。動的疲労は安静にすることで改善しますが、静的疲労には異なる解決法が求められます。
静的疲労の概要は以下の通りです。筋肉が同じ姿勢を続けていると血行が悪くなって水分が充満して筋肉が張り、この張りが神経を圧迫して痛みを引き起こします。また血行が滞ることで、疲労物質が取り除かれずにその部分に残り続けます。
マッサージには筋肉をほぐすことで静的疲労を解決する役割がありますが、マッサージを受けるには、移動時間もお金もかかってしまいます。実はストレッチもマッサージの手技の一つで伸展法とも呼ばれます。
自分で筋肉を揉んだり叩いたりすると少なからずかえってエネルギーを要しますし、マッサージしにくい部位も多々あります。これに対してストレッチならば自宅はもちろん会社でも場所も時間も選ばず、またお金をかけずに、あらゆる部位を伸ばして自分の力で疲労を和らげることができます。
またストレッチには「疲労を予防する効果」もあります。
ストレッチをすると同じ動きをしても疲れにくくなります。ストレッチで直接心臓や肺が強くなるわけではありませんが、無駄なエネルギーを使わなくなる、つまり体の効率がよくなるのです。
私たちは体を動かす時に、筋肉を収縮させる訳ですが、この時、その筋肉と反対の働きをする筋肉が抵抗となります。抵抗となる筋肉が固いと、筋肉はより大きな力を出さなければならず早く疲れてしまいます。
体が固いと日常生活において、物を床から拾い上げる、腕を伸ばしてつり革を持つ、階段を上るといった様々な場面で柔らかい人よりも余分な力を使わなければならず、その分疲労しやすいのです。これはスポーツにおいては更に顕著です。体が固いとスポーツでは疲れやすく、圧倒的に不利になります。
反対にストレッチをして筋肉が柔らかくなると、抵抗が小さくなるので、同じ動きをしても疲れにくくなるのです。イチロー、ボルトなどトップアスリートがストレッチに多くの時間を割くのはこのためです。
そしてもう一つ、ストレスを和らげる効果もあります。
ストレッチで筋肉が心地よい刺激を受けると筋肉が局所的に脱力するだけでなく、自律神経も興奮系の交感神経優位な状態から、リラックス系の副交感神経優位な状態に傾き、心拍数や血圧が下がるとともに穏やかな心理状態になります。
ストレスを和らげるために最も効果的なのは睡眠です。睡眠中は脳がストレス源となる情報を処理して忘却させ、また心拍数や血圧が下がって心身ともにリラックスします。ですからストレッチと睡眠を組み合わせれば効果は倍増。
前述のようにマッサージを受けてもリラクセーション効果は得られますが、その最もリラックスした状態で眠ることはできません。しかし自宅で行うストレッチならそれが可能です。
自宅でストレッチをじっくり行って心身ともにリラックスした状態でゴロンと横になりそのまま眠ることができれば、ストレスは大幅に和らぎます。