女性が抱える健康の悩みに答えるストレッチ
お尻をほぐせば「疲れ」はとれる 第4回
ストレッチは視力の衰えにも効く!?
3位の「視力の衰えや目のかすみ」についてですが、残念ながら加齢に伴う目の老化自体は、ストレッチで軽減したり予防することはできません。ただし、ストレッチで姿勢を正しくすれば、スマホやパソコンを見る際に、目と画面の距離を遠ざけることができるので、眼の疲労を予防することはできます。
続いて5位の「代謝が悪い」という悩みについて。基礎代謝量とは生命を維持するために必要なエネルギー消費ですが、これが加齢とともに低下する最大の理由は筋肉量の減少です。
ストレッチでもポーズをつくるために筋肉は使いますが、基礎代謝量を上げるにはやはり筋肉を増やす効果がある筋トレを行う必要があります。ストレッチに慣れて体が軽くなってきたら、ぜひ5章で紹介する筋トレにもチャレンジしてみてください。筋肉をたくさんつける必要はありません。5年前、10年前、以前の自分の筋肉量に戻すことが筋トレの目的です。
代謝の低下の症状の一つが「体の冷え」ですが、筋肉量が戻って基礎代謝が上がると体温も上がるので冷えは緩和されます。体が冷えたあと、温かい部屋に移ったり厚着をしても体が温まらないという方は、ぜひストレッチをやってみてください。
寒さは交感神経を興奮させ、熱を逃がさないように手足の血管を縮めるのですが、自律神経の切り替えがうまくいかないと、温かい環境に変わっても血管が広がらないのです。
前述のようにストレッチにはリラックス系の副交感神経を優位にしますので、血管を拡張させ、手足の冷えを和らげてくれます。
7位の「便秘」についてですが、便秘には大きく分けて、心身が緊張して便通が悪くなる緊張型の便秘と、大腸の働きが不十分で起こる弛緩型の便秘があります。
前者については、ゆったりと全身のストレッチをしたあと、仰向けになって膝を立て、大きくゆっくりとお腹を上下させる腹式呼吸を1~3分続けてからトイレに行ってみてください。腸の緊張が穏やかになって便が出やすい状態になっているはずです。
後者の場合、お腹周りの筋肉を動かすことで腸を刺激することで症状の緩和が期待できますから、特にお腹や骨盤、股関節周りのストレッチを行った後、立って手を腰に当ててゆっくり腰を左右と前後に振ったり、回す運動を1~3分続けてみてください。便意が起こりやすくなるでしょう。
8位の「足のむくみ」についてもストレッチは役立ちます。歩いていれば、下半身の筋肉の伸び縮みに伴うポンプ作用で血液などの体液は上へ上っていくのですが、立ったまま、座ったままの状態が長いとどうしても重力の影響で足に水分がたまることになります。
1時間同じ姿勢をとったら、下半身のストレッチを行って1分でもいいので歩きましょう。1日トータル10分程度の運動でも、足のむくみはかなり軽減できるはずです。
9位の「頭痛」は様々な原因が考えられますので、一度は医師の相談を受けることをお勧めしますが、大半は心理的ストレスと同じ姿勢の継続によって起こる緊張型の頭痛です。
同じ姿勢を1時間以上とったら、軽くストレッチ行い、リラックスした姿勢で5分休憩する習慣をつけましょう。もちろんストレッチで姿勢を正すことも、予防に役立ちます。
最後は10位の「寝つきが悪い」という悩みについて。就寝時間の20分程度前に、ゆったりと全身のストレッチを行ったら、ベッドあるいは布団に横になって穏やかな音楽を聴きながら、腹式呼吸をしたり、目の周りや顔を軽く指で押してマッサージをしてあげましょう。徐々に副交感神経が優位になり、眠気がおとずれ、深い眠りへと導いてくれるはずです。
※株式会社電通九州ダイレクトマーケティング部(2016年)「通信販売利用実態 女性1万人調査」
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