【30万に1人の難病・魚鱗癬】「ずっとサポートさせて下さい」と言葉を選ぶ医師たちの優しさ
難病を持つ我が子を愛する苦悩と歓び(27)
難病「道化師様魚鱗癬」を患う我が子と若き母の悲しみと苦しみ。「ピエロ」と呼ばれる息子の過酷な病気の事実を出産したばかりの母は、どのように向き合ったのか。『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』の著作を綴った「ピエロの母」が医師から病名を宣告された日、母は我が子の「運命」を感謝しながら「これからの親子の人生を豊かなものにしよう」と新たなる決意をした。
今回は、我が子の退院を前に「」を綴った。
■言葉を選ぶ先生の優しさ
薬の時間(息子=陽への)が終わり、一息ついていると、
「お母さん、薬どうでした? できた?」と声をかけながら、
担当の先生方が現れ、
「なんとか無事に終わりました!」そう答えると、
なぜか先生方が顔を合わせ、頷いている。
そして「薬飲ませていくのは問題なさそうですね!」
「お母さん、陽くんは、私たちの最初の予想よりも、遥かに良い状態です」
「正直に言うと、どんどん運ばれてくる赤ちゃんの受け入れが難しくなってきています」
「陽くんは、もうここでしかできない治療というのはほとんどありません」
「そろそろ退院に向けての準備をしていきたいと思います」
「退院までに2回、小児病棟で母子同室を行って頂きたいので、ご家族で話し合って、日にち決めてもらえますか?」
「その時に、薬の調合も覚えてもらいますね」
・・・退院!? えっ? もう退院!?!? できるの?? 嬉しい! 嬉しいけれど、不安・・・。
大丈夫? 陽は、大丈夫?
私は、できる?
そう戸惑っている私を察して、
「大丈夫。退院までに分からないことは、何でも聞いて下さい。退院後もずっと、サポートさせて下さい」
と先生が力強くおっしゃって下さり、少し安心するとともに、
「サポートしてあげる」ではなくて「サポートさせて下さい」という、言葉を選んでくれた先生の優しさが嬉しく、頑張ろう、きっと大丈夫、と思うことができた。
陽、もうすぐお家に帰れるよ。ずっと一緒にいられるね。
陽のベッドはアンパンマンで可愛いんだよ。
もう少し、もう少し頑張ろうね。一緒に帰ろうね。
【参考資料】
本書をもとにCBCテレビ『チャント』にて「ピエロと呼ばれた息子」 追跡X~道化師様魚鱗癬との闘い(6月26日17時25分より)が放送されました。
https://locipo.jp/creative/41a0b114-7ee7-4f24-976c-e84f30d2b379?list=5a767e90-3ff9-479c-a641-e72e77cf42c3
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【参考文献】
『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』(アメーバブログ)
産まれてすぐピエロと呼ばれた息子(書籍)
ピエロの母
本書で届けるのは「道化師様魚鱗癬(どうけしようぎょりんせん)」という、
50~100万人に1人の難病に立ち向かう、
親と子のありえないような本当の話です。
「少しでも多くの方に、この難病を知っていただきたい」
このような気持ちから母親は、
息子の陽(よう)君が生後6カ月の頃から慣れないブログを始め、
彼が2歳になった今、ブログの内容を一冊にまとめました。
陽君を実際に担当した主治医の証言や、
皮膚科の専門医による「魚鱗癬」についての解説も収録されています。
また出版にあたって、推薦文を乙武洋匡氏など、
障害を持つ方の著名人に執筆してもらいました。
障害の子供を持つ多くのご両親を励ます愛情の詰まった1冊です。
涙を誘う文体が感動を誘います。
ぜひ読んでください。