「高時給」「短時間労働」の4つのメリットとは? 働き方改革の先駆者が語る。
希代の経営者・小山昇が語る「パート社員・戦力化」の要諦 第1回
現在、「働き方改革」が政府・産業界ともに本格的に進められている。だが、小山昇が経営する株式会社武蔵野では、すでに何年も前から非正規雇用従業員の待遇改善に取り組み、15年連続増収、過去最高売上・最高益を更新している。最新刊『儲かりたいならパート社員を武器にしなさい』(ベスト新書)を上梓した同氏が考える、「正しいパート社員の働き方」とは。
パートは「時給を高くして、短時間働いていただく」のが正しい
多くの会社にとって、パートは、雇用の調整弁になっています。
非正規雇用の立場を正規雇用よりも下に位置付けて、「主婦の小遣い稼ぎ」「空いている時間を利用した副業」「軽い腰かけ」と見なす社長もいます。
「安く、都合良く使える労働力」くらいの認識で、「正社員の補助職」程度の存在として扱っている。そしてそのことを、社長はもとより、パート自身も疑問に思ってはいません。
ですが私は、パートを雇用調整的な役割にとどめておくつもりはありません。パートの戦力は、もはや武蔵野にはなくてはならないものです。パートでも、優秀な仕事をすれば相応の地位を与えます。
わが社の全従業員のおよそ4分の3は、パート・アルバイト(非正規雇用のスタッフ)です。中には、勤続40年以上の大ベテランや、「課長」の肩書を持つパートが6人います。わが社のパートは実力派揃いで、「パートに正社員が叱られる」光景もめずらしくありません。
お客様は、パートと正社員を区別しません。どちらも同じ「会社のスタッフ」です。パートに相応の責任を担ってもらい、責任を担わせるから、しかるべき待遇も与えます。
パートの雇用に関しては、「時給を高くして、短時間働いていただく」のがわが社の基本方針です。
多くの社長は、「パートの給与を高くすると、人件費がもったいない」と考え、安い時給で雇います。パートを安い時給で使うと考えるのは、売上に対して、労働分配率が低いほうがいいと思っているからです。
ですが私は、そうは思いません。「パートの時給を高くしたほうが、会社は得をする」と考えています。
高時給・短時間労働の4つのメリット
時給を高くすると会社が得をする理由は、次の「4つ」です。
①「能力が高い人」を採用できる
②優秀な人が辞めない
③残業(残業代)が減る
④パートが子育てに時間を使える
②優秀な人が辞めない
③残業(残業代)が減る
④パートが子育てに時間を使える
- 1
- 2