カリスマ経営者は20代に何をしていたか。「形のないものにお金をつぎ込んだ」
希代の経営者が語る、右肩下がりの時代を生き抜く働き方改革 第7回
お金がないと病気に「なれない」!?
――病気になれない、とはどういうことでしょう。
お金がないから、病気になっても病院に行けないじゃないですか。だから、健康管理には人一倍気を使うようになりました。
それに、貯金があると、「病気になっても病院に行けるから大丈夫」と安心して、かえって不摂生をしたり、頭が痛くなって休んだりするものです。私が健康を維持しているのは、いつもギリギリまで自分を追い込んでいるおかげ、といえるでしょうね。
かつてわが社にいた20代半ばの社員は、「病気になったときに困るから」という理由で、貯金をしていました。その結果、どうなったと思いますか? 本当に病気にかかってしまい、治療のために貯金を使いました。彼は無事に目的を果たしたことになります。
健康のためにお金を貯める人が病気になって、私のようにどんどんお金を使ってきた人間が病気にならない。人生はおもしろいものです。
――社内でもっとも体力があるのが小山社長だとうかがいました。
私は今69歳ですが、かばん持ちの社長(経営サポートパートナー会員企業の社長)と武蔵野の社員、そして私の3人の中で、移動中の歩くスピードがもっとも速いのが私です。もう、ダントツです。いちばん遅いのが、うちの社員(笑)
――逆に、30代で後悔していることはありますか。
それはありません。あのときこうしておけば、とか、あれをやっておけば、と思うことはない。これは100パーセント言い切れます。なんでもめいっぱいやってきましたから後悔することはありません。「めいっぱい」というのは、仕事と遊びの両方ですよ。とくに遊びのほうは極めていた(笑)。
――これまでの経験を踏まえて読者に向けて「これはやっておいたほうがいい」というアドバイスをするとすれば?
小さなテリトリーでいいから、「人並み以上」にやっておくことですね。仕事でも遊びでもなんでもいいから、ナンバーワンを目指してみること。その経験があるかないかによって、将来に大きな差が生まれると思います。
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