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住吉大社に残る豊臣秀頼・淀殿母子の思い出

季節と時節でつづる戦国おりおり第294回

住吉大社と豊臣秀頼・淀殿

 今から402年前の慶長20(元和1)年5月8日(現在の暦で1615年6月4日)、豊臣秀頼・淀殿母子が徳川幕府軍の包囲のなか、大坂城山里曲輪の糒蔵で自害。
 もうだいぶ過ぎてしまいましたが、今回は秀頼・淀殿を偲んでそのゆかりの地をご紹介。その場所は…

 ジャン! この太鼓橋で分かりますね、大阪・住吉大社です。『当代記』には慶長7年(1602)6月に所願があって住吉大社で一万句連歌(一万句詠むことで祈願成就を願う連歌会)を催したそうで、篤い信仰を寄せていたようですね。
 そもそもこの橋を支える石造りの橋げたは慶長期に淀殿が奉納したと伝えられており、私たちは境内に入ってすぐ母子の名残を目にすることができるわけです。

 境内を進むと、石舞台が。こちらも同じく慶長期、秀頼が奉納したものということです。

 

 最後は、裏参道の入り口に建つ石鳥居。かつて秀頼が奉納した石鳥居を再建したものだそうです。 

 いかがでしょうか、住吉大社に残る秀頼母子の思い出。もうすぐ初辰まいり、住吉祭りと夏の行事が続く住吉大社。ご参詣のついでに、ふたりのゆかりの場所で大坂夏の陣に思いを馳せてみては?

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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