パートにもiPadを支給。儲かる会社は効率化にお金を惜しまない
希代の経営者・小山昇が語る「パート社員・戦力化」の要諦 第5回
◆ パート全員にiPadを支給して、空中戦を仕掛ける
武蔵野では、パート・アルバイトを含め、全従業員にタブレット端末(iPad やiPad mini計600台)を支給しています。金額にして、「ウン千万円」の投資です。普通の社長は、社員に配布はしても、アルバイトやパートにまで配布することはありません。お金がもったいないから、です。
でも私は、パート・アルバイトに渡さないほうが、「もったいない」と考えています。
理由は、次の「4つ」です。
②業務効率が上がる
③パート同士のコミュニケーションが良くなる
④パートが辞めなくなる
①残業が減る
かつてのわが社は、とにかく残業が多い会社でした。
現場は恒常的な人手不足に陥っていたので、他の会社よりも高い給料で、パート・アルバイトの募集をしました。しかし、仕事は楽ではなく、人が定着しませんでした。
結果として、残ったパートにしわ寄せがいき、繁忙期は極端に残業時間が長くなった。
残業を減らさなければ、パートは定着しません。けれど、「残業しないで早く帰る」だけでは、お客様にご迷惑をかけます。お客様が離れたら、会社が立ち行かなくなります。
残業を減らしながらも、仕事の成果は減らさない。そのために、ITを使った業務の効率化に取り組んだ。
iPadをはじめとするITの活用によって、わが社では、残業時間を大幅に減らすことに成功しました。
ピーク時には月「76時間」あった残業が、現在は、「17時間」です。しかも残業時間を5分の1以下に減らしたにもかかわらず、売上は前年対比で10%伸ばしています。
ダスキン商品の棚卸しも、iPadを使うことで、大幅に時間を短縮することができました。かつては、内勤のパートが実際に現物の数を数えていて、棚卸しをすると、いつもの残業に加えて、さらに3〜4時間の残業が発生していた。ですが現在は、入力されたデータを確認するだけで、30秒もあれば終わります。
また、お客様からクレームが入ると、従来はコールセンターから担当者(営業スタッフ)の携帯電話にメールで連絡をしました。
ですが、担当者がお客様の近くにいるとはかぎりません。現場に駆けつけるまでに時間がかかると、事態が悪化して、解約につながるおそれがあります。
こうした課題を解決するため、コールセンターでは、「iPadの位置情報」を活用しています。
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