家庭での「会議」が子どもの発言力をぐんぐん伸ばす
受験もその先も。一生使える力になる、「究極の育て方」⑦
長男を東大とイェール、次男を難関国立大学医学部、わが子をそうそうたる名門校に送り込んだ母・小成富貴子さんの教育法。とくに長男は日本人初の優秀賞を受賞した、模擬国連世界大会などの国際大会に出場、“発言力”をいかんなく発揮しました。その力を育んだ背景に、家庭でのちょっとした取り組みがありました。初の著書『究極の育て方』より紹介します。
「社内会議」ならぬ「家内会議」を開催
家族での会話を、さらに形式的にしてわが家では会議を行っていました。社会人の方は「社内会議」をよくされると思いますが、私たちは「家内会議」を開いていたのです。
子どもたちが小学生の頃は、毎週何曜日の何時からと時間を決めて行いました。議長は持ち回りで担当します。
食事のときの役割分担や皿洗いといった日常的なテーマから、旅行の行き先など重大事項まで幅広く議題にあげられました。旅行で行きたい所・したいことがある人は、意見を会議で発表しないと旅行の予定に反映されません。旅行は子どもにとっては一大イベント。二人とも必死で自分の要望を旅行の内容に取り入れてもらえるよう発言しました。
この会議は、子どもたちに発言力をつけさせるという意味でも、旅行に対する自分の興味を確認するという意味でもとても役に立ちました。長男はある時期将棋に夢中になっており「山形の天童市に行きたい」と発言しました。天童市は将棋の駒の産地で、町の至る所、歩道にまで詰め将棋が用意されているなど、将棋好きならば一度は行ってみたい町なのです。それがみんなに承認され、実際にその地を訪れたときには、ただの旅行とはまた別の達成感があったようです。
一番身近な家族という単位で会議の練習をしていたことは、その後さらに大きな会議で発言するための良い練習となりました。小さな会議で発言できない人が、大きな会議で発言できるはずはありません。
「恥ずかしい」という気持ちが出てくる10歳より前に、発言する機会をたくさん持つことが大切だと考えています。