人材不足が日本の会社を覆う。カリスマ社長が「採用」より大事にしていること
希代の経営者が語る、右肩下がりの時代を生き抜く働き方改革 第9回
現在、「働き方改革」が政府・産業界ともに本格的に進められている。だが、小山昇が経営する株式会社武蔵野では、すでに何年も前から非正規雇用従業員の待遇改善に取り組み、15年連続増収、過去最高売上・最高益を更新している。最新刊『儲かりたいならパート社員を武器にしなさい』(ベスト新書)を上梓した同氏が「人を定着させること」の重要性を語る。
新しい人を採用するより、今いるパートを辞めさせないことが先決
私は「新しいパートを採用すること」より、「今いるパートを辞めさせないこと」が先決だと考えています。
人が採れない時代に必要なのは、採用ではなく、定着です。「今いるメンバー」が最善だと考え、「今いるメンバー」の戦力化を図るべきです。
どれほど人を集めても、すぐに辞めるようだと、「あの会社はダメだから、やめたほうがいい」と口コミを広めることになります。
多くの社長は、「今よりも優秀なパートがほしい」と考えますが、今いるパートも、「もっと良い会社で働きたい」と思っています。
でも、そうしないで残っているから、「会社にとって、今いるパートが最良のパートナー」です。
だとすれば、今いるパートに感謝しなければなりません。
多くの社長や管理職は、パートに対する感謝の気持ちが希薄です。だから、「あのパートのあそこが悪い、ここが悪い」と文句ばかり言うようになる。
感謝の気持ちがあれば、怒鳴ったり威張ったりしないで、パートの「良い部分」を見つけてほめることができるはずです。
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