「自分はバカだ」と認めてしまう。15年連続増収を達成した社長のコミュニケーション術
希代の経営者が語る、右肩下がりの時代を生き抜く働き方改革 第10回
常務取締役の滝石洋子は、「ほめるときは、『何が、どう良かったのか』を具体的にしたほうが効果的」と考えています。
「ただ『頑張っているね』と声をかけるよりも、『この間、現地見学会でお客様がいらしたとき、あなたが説明を担当したんだってね。◯◯◯という会社の社長さんが〝すごくわかりやすい説明だった〟と感心していたよ』と具体的な内容を踏まえながらほめると、パートさんも、『次も頑張ろう。わかりやすい説明を心がけよう』と思うようになります」(滝石)
◆従業員アンケートを取ると、社長の心が折れる
パートとコミュニケーションが取れていない社長は、「従業員アンケート」を取らないほうがいいと思います。
なぜなら、心が折れるから。
わが社は、1999年以降、毎年、従業員アンケートを取っています。社員・パート・アルバイトは何を考えているのか、どういう不平不満を持っているのかをいち早く把握して、改善に役立てるのが目的です。
従業員満足度は、年々向上していて、現在(2016年)は実に「87・7%」のパートがわが社に満足しています。にもかかわらず、会社に対する不満はなくなりません。
パートの本心を知りたいので、従業員アンケートへの記入は無記名(匿名)にしているため、不平不満が出るわ、出るわ……。
集計結果は、政策勉強会でフィードバックしていますが、アンケートに書かれているコメントを読んでいるうちに、具合が悪くなります(笑)。
パートから寄せられた不満を改善しないと、火に油を注ぐことになりかねません。武蔵野でさえ不満が噴出するのですから、コミュニケーションが十分に取れていない会社がアンケートを取ると、不満のはけ口になるだけです。
<『儲かりたいならパート社員を武器にしなさい』より構成>
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