信長VS秀吉VS家康。我々凡人が見習うべきは誰?
大間違いの織田信長⑧ホトトギスの歌でわかる!? 誰が本当の天才か
我々が学ぶべきは信長
よって、凡人が最も参考になるのは、意外かもしれませんが信長になります。
実は、ホトトギスの歌のイメージとは異なる面もあり、信長は不必要な殺生をしませんでした。信長が殺生をする場合は、復讐や見せしめなど、何かしら理由があります。現代の日本人の感覚では異常に思えますが、信長と同時代のヨーロッパではちょうど魔女裁判の絶頂期です。「なぜ人を殺すの?」「楽しいから」というのが普通でした。中国の明では、「打ち首? 一発で殺しちゃうと、その瞬間以外は苦しませられなくてつまらないから、打ち腹にしようぜ」と皇帝自ら率先する時代です。これらの基準と比べると、現代人からしたら復讐や見せしめで人を殺すのは異常かもしれませんが、理由のない殺傷、快楽目的の殺人や拷問を行わないのが信長です。
信長は、生涯で何回裏切られたか分かりませんし、命を狙われているわ、舐められるわ、失敗だらけの人生でした。いつも大変な目に遭っているので、復讐や見せしめが必要だったのです。信長には信長の理由があったのです。
信長のすごいところは、自分より優れた人たちよりも、いつの間にか優位にいるところです。信長の人生は失敗だらけだからこそ、我々が学ぶことが多くあります。
信長はある面ではカリスマでした。但し、天賦の才に恵まれた超人ではありません。本人が徹底して努力するタイプのカリスマだったのです。だからこそ、我々凡人が模範として学ぶべき偉人なのです。
〈『大間違いの織田信長』(著・倉山満)より構成〉
明日は『織田信長の評価、江戸時代は低かった!』
大間違いの織田信長⓽江戸時代の信長は関脇クラス!?です。