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どうして政府もNHKも「日本は赤字だ」とウソをつくのか

給料を2倍にするための真・経済入門③

日本政府は“赤字”ではない!

 

「日本国」と「日本政府」は違います。

「日本国」と言えば、国民、企業、団体、政府などで、「日本国の借金」と言えば、これらの人たちが負っている借金の総額になります。また「日本政府」なら、これも当然ですが、政府の財政だけで、国民や企業は関係がありません。

 また「政府」のなかには「地方自治体」も入っていますので、厳密に言えば「広義の政府」としてもよいと思います。

 まず、「日本政府」の財産状態ですが、「持っているお金(資産)」が、直接的なお金などで500兆円、土地などの固定資産が580兆円で、およそ1080兆円の資産があります。森友学園報道のときに、繰り返しテレビで出てきた「国有地」などは政府が持っている資産のひとつです(「政府所有地」と言わずに伝統的に「国有地」と言っています)。

 これに対して政府の借金は主として国債で1040兆円です。資産が1080兆円、借金が1040兆円ですから、わずかですが40兆円ほどのお金が余っていることになります。

 政府の国債を持っているのはほとんどが銀行で、そのお金は国民の預金ですから、「国債を買ったのは国民」と言ってもよいでしょう。

 現在の日本政府の財政状態は、家庭で言えば、銀行に預けている貯金や株が500万円、土地が580万円、合計すると家の資産は1080万円。借金は1040万円なので、「いざというときには土地でも売ればなんとかなる」という状態です。

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武田 邦彦

たけだ くにひこ

東京大学教養学部基礎科学科卒業後、旭化成工業に入社。同社ウラン濃縮研究所所長、芝浦工業大学教授、名古屋大学大学院教授を経て、2007年より中部大学教授。

テレビ番組「ホンマでっかTV」(フジテレビ)、「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)、インターネット、CS番組「虎ノ門ニュース8時入り!」「現代のコペルニクス」(DHCシアター)などに出演中。著書『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』3部作(洋泉社)他ベストセラー多数。


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