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そもそもビットコインの価格は、どうして上昇するのか?

仮想通貨で知る、ブロックチェーン入門④

チャイナショック後も早めの持ち直し

 ビットコインは、2017年に入るまでは、BTC/CNY(中国人民元)のペアでの取引が盛んであり、全体のビットコインの取引ボリュームの90パーセントを占めていました。

 そのため、中国政府が国内取引所に対してビットコイン取引の規制を行うというアナウンスが出ただけで、約30パーセントも価格下落する、いわゆる「チャイナショック」もしばしば発生していました。

 しかし、2017年に入ってから改正資金決済法が施行されたこともあってか、日本でのビットコイン取引高は増加し、中国を追い抜くほどとなりました。

 2017年9月現在においても、日本はビットコインの取引高で世界一であり、約40パーセントを占めています。

 もう一点特徴的なのは、以前は、上位2つの通貨(円や人民元)などで取引ボリュームの90パーセント以上を占めることが多かったのですが、現在では上位2つ合わせても70パーセントほどの寡占となっており、ビットコインとの通貨ペアも分散してきています。つまり、日本や中国、アメリカという主要国だけでなく、幅広い国にビットコインが広まり、取引が行われていることが伺えます。

 その影響もあってか、先日の中国におけるICOの禁止というアナウンス後に一時ビットコイン価格が下落しましたが、従来のチャイナショックに比べると立ち直りも早かったと見て取れます。

 ビットコインは、単一の国家や政府の動向に依存しにくい通貨へとなってきていると言えるでしょう。

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森川 夢佑斗

もりかわ むうと

京都大学在学中にAltaApps株式会社を創業し、仮想通貨のウォレットアプリ開発やブロックチェーンに係るコンサルティングを行う。現在は、株式会社Gincoの代表取締役として、仮想通貨時代の新たな銀行の構築を目指す。著書に『ブロックチェーン入門』(ベスト新書)、『一冊でまるわかり暗号通貨2016~2017』(幻冬舎)など。


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