9000人のはだか男達が
肉弾相打つ奇祭「西大寺会陽」
9000人のはだか男達が、宝木をめぐって激突!
毎年2月の第3土曜日に
岡山県西大寺にて開催される
奇祭・西大寺会陽、別名「はだか祭り」。
今年は、2月20日(土)に開催予定だ。
寒風吹きすさぶ深夜、
廻しを締めた9000人のはだか男達が本堂大床上に一同に集結。
その中に、投牛玉(細い木片の束)が100束投げられて、
続いてお目当ての一対二本の「宝木」が投げ込まれる。
投下の瞬間、スッと消える明かり。
──激しい争奪戦の始まりだ。
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足の踏み場もないほどに群がったはだか男達がいくつかの「渦」
と呼ばれるグループになって闇の中で繰り広げる、押し合い圧し合い。
宝木が境内から抜けるまで、この争いは延々と続けられる。
そして宝木を手に入れた者は晴れて一年の福が約束される
「福男」になれるという訳だ。
怪我人はもちろんのこと、時には失神者も出るほどの荒々しい祭りである。
この祭りの歴史は古い。
1200年前から西大寺では、旧暦の正月に14日間にわたり
修正会(しゅしょうえ)が執り行われていた。
修正会では僧侶たちが斉戒沐浴して、祭壇に牛玉を備え、祈祷を行った。
牛玉とは、丈夫な紙に牛玉・西大寺・宝印と順番に刷ったもの。
この牛玉を、修正会終了の後に1年の五福を授ける意味で
信徒の年長者や講頭に授けていた。
ところが、この牛玉を授けられた者が
豊作になり、厄を免れると評判になったことで
希望者が増えて、やがて奪い合うようになってしまった。
当然、紙なので引っ張られたらすぐに千切れる。
そこで500年前、時の住職忠阿上人が、
牛玉を直径4cm、長さ約20cmの木製の宝木にかえ、
群がる信徒の中に投げて、これを得た者に五福が授かるようにしたのが
西大寺会陽の始まりだという。
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2月の深夜、言うまでもなく想像を絶する冷たさだ。
刺青や暴力禁止などいくつかの禁則事項があるものの
それさえ守れば実はこの祭り、地元民だけでなく、
男性であれば外国の方でも参加できる。
そのため、日本全国から祭り男達が結集する訳だ。
事前の簡単な申し込みは必要だが、必要な廻しも現地調達可能。
体力に自信のある男性は、この奇祭に参加して
その神秘を「肌で感じ」てみてはいかがだろうか。
※西大寺会陽奉賛会事務局より
宝木投下は午後10時
裸参加者には大きな危険が伴います。
ケガ、死亡事故等が発生しても奉賛会並びに観音院は責任を負いません。
このことをご承諾の上、自己の責任において参加し、自分を守ってください。
西大寺会陽での身の守り方
1.大床上の裸の渦の中では、必ず両手をバンザイのように上げる。
2.倒れた時は、「頭の下に両腕を入れる」「カカトは立てる」姿勢を作る。
3.前の人の「廻し」をつかみ、膝を立てて起き上がる。
4.起き上がる途中で横や後ろの人にしがみつかない。
5.自分で立ち上がる意思を持つ。
6.倒れた人がいたら「廻し」を持って引上げる。
⚫︎日時/2016年2月20日(土)
⚫︎お問い合わせ/086-942-0101