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国際協力=ユニセフに抱く違和感。日本に足りない“イシュー・ファースト”

国際協力には大きな偏りがある。

「アフリカ×起業」のパターンはソマリアには当てはまらない

ーー国際協力にはNGOでの活動の他に、現地でビジネスを興すことで雇用を生み出すといったやり方もありますよね?

 それが国際協力のフェーズ2として言われていることで、海外援助に起業を絡ませることが現在のトレンドになっています。実際に「アフリカ×起業」というビジネスモデルは腐るほどありますけど、この場合の起業はアフリカであればどこの地域でもいいわけです。ルガンダ のようにICT(情報通信技術)が盛んな地域では、下手をしたら日本より儲けられる可能性が高い。つまり、ビジネスモデルが成り立つことが前提になっています。

 ですから、そこで起業する人々が「世界を変える」と言っていると、なんとなく違和感も感じるわけです。というのも紛争地のソマリアや南スーダン、マリなどといった地域では「アフリカ×起業」の具体例にならないんですね。

 紛争国では武装勢力を空爆・駆逐することとあわせて、その先の受け皿が必要になるけど、それがいない。だからこそ、日本発で僕たちのようなNGOがあるべきだろうと思います。

インタビュー第三回「『ミレニアル世代』の国際協力論。各々のやり方で既存の枠組みを超えていく。」に続く。

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永井 陽右

ながい ようすけ

NPO法人アクセプト・インターナショナル代表理事。1991年神奈川県生まれ。2015年3月早稲田大学教育学部卒。2016年12月ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの紛争研究修士課程卒業。早稲田大学在学中にソマリアの大飢饉と紛争の問題を知り、NGO「日本ソマリア青年機構」を設立。2017年よりNPO法人化し「アクセプト・インターナショナル」の代表理事を務める。第28回人間力大賞(外務大臣奨励賞)、小野梓記念賞特別賞など受賞多数。


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