相手の心をガッチリ掴む福山雅治の「人心掌握術」
握手ひとつにもやり方が… 生き残る芸能人のすごい処世術⑤
福山雅治が11月に中国で公開されるジョン・ウー監督の映画「追補MANHUNT(原題)」に主演する。1970年代に故・高倉健さんが主演し、中国では社会現象化したヒット作「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイク作だ。いよいよ国際派俳優としての進出となるか? 老若男女問わず、国境さえも超え、多くの人の心を掴んでいく福山流処世術。芸能人の知られざる人心掌握術、気遣い、危機管理術などをまとめた『生き残る芸能人のすごい処世術』を上梓したばかりの芸能ジャーナリスト・城下尊之が紐解く(記事は本文より)。
さりげなく近付き両手がガッチリと
福山雅治主演の映画「SCOOP!」に、僕もほんのチョイ役だが、出演させてもらっている。まあ、僕のことは別にして、相当、面白い映画であるのは確かだ。
この作品のDVD化の時の特典映像として、僕が福山やリリー・フランキーらの出演陣にインタビューをしている。福山のコンサートには何度も行っているが、直接、間近で話すのは初めて。僕がファンだと告げると、軽く握手してくれてインタビューは始まった。事実、僕は福山の歌を30曲以上歌えるし、いま彼が歌っている曲のタイトルを言うと、リリーが「最近のアルバムの曲だ!」と声を重ね、場の空気はいい感じになった。
作品の中で福山がたばこを吸うシーンがある。それに関して福山は「10年前から禁煙していて、吸うのが耐えられないくらいつらかった」と話していた。それを聞いて僕が「福山さん、禁煙の最初の1年は誰にも内緒にしてましたよね」とツッコミを入れたら、「なんで知ってるの?」と驚いていた。インタビューを終えると、福山はスッと僕に近づいてきて、今度は両手でギュッと握手をしてくれた。ファンだとしっかり認めてくれたらしい。無邪気というか、他人の懐にこれほどの自然体ですっと入ってくる――。この屈託のなさこそスターの条件のひとつといっていい。
(『生き残る芸能人のすごい処世術』より構成)