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名古屋市の徳川美術館へ

季節と時節でつづる戦国おりおり第314回

 小牧山城跡からはまたバス。小牧駅で名鉄に乗り換え名古屋市内へと戻りますが、途中の間内駅で車窓からこんな銅像が見えます。結構大きいものです。

 これ、浅井長政像。なぜ北近江の武将の像が?と思いますが、なんでも浅井家滅亡の折り、長政の庶子・七郎という人物が文禄元年(1592)この地に移り住んだそうで、子孫代々庄屋職を相承したということです。長政像は、祖先の顕彰というわけ。油断していると、どこで面白い史跡に出くわすかわかりません。

 

 市内に戻ると、またJRに乗り込みます。今度は中央線。次の目的地は大曽根。徳川美術館で9月10日まで「特別展 天下人の城 ―信長・秀吉・家康―」を開催していた時期でした。

 今回の目的は桶狭間古戦場にある長福寺所蔵の「桶狭間合戦討死者書上」です。信長の援軍として参加した六角家の兵272名が計上されているという、曰くつきのもの。「近江国佐々木方之加勢」と記述されていますが、この時北近江の京極佐々木高吉は足利義輝に身を寄せていますから、史実であればたしかに六角氏しか兵は出せないんですよね。う~ん、面白い。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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