松本人志がつまらなくなった? 安倍政権下で炙り出されたメッキが剥がれた人たち
「吉田照美×適菜収」緊急対談 第3回
「パロディはやめろ」某TV番組からの圧力
吉田 BS朝日で報道番組を1年間、中村雅俊さんとやったことがあるんです。ある日いきなり、スタッフが、「ツイッターのことでお話ししたい」と。なにかと思ったら、僕がリツイートした宮沢賢治の詩のパロディがまずいと言うんですよ。「雨にも負けず」を「安倍にも負けず」と。この人本気で言ってるのかなと思って。どうでもいいので「すぐ外します」と言ったけど、内心、俺に反体制的なリツイートをするなとプレッシャーをかけてきたのかなと思った。
適菜 はい。
吉田 それと、番組で『落ち穂拾い』のパロディの油絵を出したんです。燃料棒を拾ってる防護服を着てる人の絵なんですが、番組中にそれを飾ったら、すごいインパクトがあったみたいで、番組側が次週からやらないでくれと。早かったですね。
適菜 油絵を出すというのは、番組側からの提案だったんですか?
吉田 そう。それなのに終わってから右往左往しているの。僕は、してやったりという感じだったけど。燃料棒が落ちているので、落ちボウ拾いって。あの絵は1番の自信作です。
適菜 そこがパロディのよさなのに。大人気ないですね。
吉田 権力を笑い飛ばすことしか、僕らには手がないわけです。
適菜 私は最近作詞を始めたんですけど。
吉田 知ってます。三沢カヅチカさんの『豊洲の女』はよかったですよ。
適菜 替え歌も結構好きで、以前RCサセクションの、『雨あがりの夜空に』を『安倍あがりの夜空に』にしたんです。
吉田 ははは。
適菜 せっかくなので、貼り付けておきますね。
吉田 僕の息子がバンドをやっているんですけど、息子の知り合いで忌野清志郎さんそっくりの若者がいるの。彼に歌わせたら最高だと思うな。
適菜 じゃあ今度紹介してください。
吉田 替え歌は似ている人が歌ったほうが面白いものね。
適菜 清志郎もそういう人ですよね。『COVERS』も一種の替え歌ですから。
吉田 そういうのを面白がらないとダメだね。諧謔の精神、風刺の精神が失われている。話はずれるけど、お笑いは誰が好きなんですか?
適菜 詳しくはありませんが、モノマネは結構好きです。
吉田 僕は爆笑問題がずっと好きでね。時折壊れる瞬間がいい。太田くんがすごいのは、(立川)談志さんとタケシさんの要素を持ってるところ。それで田中くんという緩衝材がいるから、素晴らしい。