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ママ達は過労死寸前「ワンオペ育児」の現状

【ワンオペ育児】を藤田結子氏が徹底解説1/3

「ワンオペ育児」なら1日の家事育児時間は15時間!?

シズカ…具体的には、ワンオペ育児ってどれくらいブラックな状態のことなんですか?

藤田まず早朝に起きて朝食の準備、子どもに保育園の支度をさせ、急いで保育園へ送り、そのままダッシュで出勤。退勤後は子どもを迎えにいって、帰宅してクタクタの状態で夕飯や子守をする。こういう過酷な状態のことを指します。

トオル…うわ! まさにワンオペ。かなりヤバイですね。

藤田…フルタイムの会社員でも、9時間ほど職場にいて、往復の通勤でも2時間ほどかかり、そこに家事育児の時間が4時間ほど加わるとしたら、相当な長時間労働になりますよね。

シズカ…やっぱり「ワンオペ育児」って女性のほうが多いんですか。

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藤田…はい。なんらかの事情でワンオペ育児になる男性もいますが、やはり全体的に女性のほうが多いですね。日本の総務省の「社会生活基本調査」のデータと、EUやアメリカが公表しているデータを比べると、6歳未満の子どもがいる父親の家事育児にかける時間は、アメリカが2時間51分、フランスが2時間30分、スウェーデンが3時間21分、一方で、日本の男性は1時間7分しか家事育児をしていません。

シズカ…確かに少ないけど、1時間はやってるのね。それはちょっと意外。

藤田…とはいえ、すべての男性が1時間の家事育児をしているわけではなく、約7割の男性は平日まったく家事育児をせず、残りの3割が平均を押し上げている状況です。

トオル:確かに、どちらも仕事にしているのに、女性のほうが家事育児の時間が長いのは不平等だね。

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藤田 結子

ふじた ゆいこ

明治大学商学部教授。東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒、米国コロンビア大学大学院で修士号を取得後、英国ロンドン大学大学院で博士号を取得。2016年から現職。専門は社会学。調査現場に長期間、参加して観察やインタビューを行う研究法を用いる。日本や海外の文化、メディア、若者、ジェンダーなどについてフィールド調査をしている。著書に『ワンオペ育児』(毎日新聞出版)など。


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  • 2017.06.21