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「赤ちゃん縁組」で悲劇は減るのか

「セックスワークサミット2017秋 」第2部レポート 前編

「育ての親」になることを希望する夫婦への研修

 一方の育ての親、養親(ようしん)といいますが、育成には時間をかけていて、最低でも半年ほどはかかります。養親希望のご夫婦には、審査への申し込みの後に、まず妻・夫の両方に2~3回の電話のカウンセリングを行います。その後夫婦での面談、家庭訪問による養育環境指導、フローレンスの保育所での研修、提携クリニックでの新生児の育児研修・・と登録までに複数段階の審査・手厚い研修を行っています。新生児の育児研修では沐浴や授乳、寝かしつけといった赤ちゃんの基本的なお世話を助産師に習います。養子縁組で赤ちゃんを迎える場合は、自治体がやるような両親学級もないので、こういった研修で事前にイメージして夫婦で準備をしていくことが大事です。今後、行政の両親学級でも、養親希望者が受けいれてくれたらすごくいいですね。

 こうした一連の審査と研修を経た後にようやく登録となり、赤ちゃんの委託を待ちます。申し込みに対して、最終的に登録に至る方は全体の10%程です。これは審査が厳しいとかというよりは、養子縁組で子どもを迎える上で予め理解しておかねばならないことや覚悟を問うことはもちろんあり、そういったことをご説明し、何度も夫婦で話し合ってもらいます。その過程で、「もう少し考えてみます」とご自身で結論を出される方も多いです。

後編に続く。

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「セックスワーク・サミット2017冬 「つながる風俗女子」+シンポジウム「みんなでつくる『適正風俗』」(主催:一般社団法人ホワイトハンズ)(http://www.whitehands.jp/20171203.html)が、2017年12月3日(日)に、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターにて開催されます。

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坂爪 真吾

さかつめ しんご

1981年新潟市生まれ。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。東京大学文学部卒。



新しい「性の公共」をつくる、という理念の下、重度身体障害者に対する射精介助サービス、風俗店の待機部屋での無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で、現代の性問題の解決に取り組んでいる。2014年社会貢献者表彰、2015年新潟人間力大賞グランプリ受賞。著書に『セックスと障害者』(イースト新書)、『性風俗のいびつな現場』(ちくま新書)、『はじめての不倫学』(光文社新書)などがある。


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